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九十二告目 後藤柚姫 5
誘いの言葉と同時に暮林夏凛が手を差し出してくる。
これまで彼女にはっきりと誘われたことはなかった。暮林夏凛の性格からして後藤柚姫からグループに入りたいと頭を下げさせたかったのだろう。クラスで急速に孤立していったのもそのための仕込みだったのかもしれない。
直接動こうとする滝村涼香と違って、暮林夏凛は相手に「してもらう」のが好きなのだ。ただ後藤柚姫は彼女のまわりくどいやり方が肌に合わないとも感じていた。
「……そうね、ただし条件があるわ。千輝も一緒にグループに入れてほしいの」
西木千輝を独りにするわけにはいかない。そうなったら本当に彼女は立ち上がれなくなる。
しかし暮林夏凛は首を横に振る。
「それは駄目。入れるのはあなただけよ」
「どうして? 簡単でしょう?」
「クラスにはそういう人間が必要だからよ。分からない訳じゃないでしょう?」




