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八十九告目 後藤柚姫 2
二人の前で後藤柚姫は思わず動きを止める。さっきからの視線は赤い影のありかを確かめるものだったようだ。そして下着で隠れた部分に赤い影があると想像したのだろう。
「おあいにく様。そんなもの私にはないから」
そう言う彼女の腕を折原美等がつかむ。
「いやいや、そんなの信じろって言うほうが無理だって」
「本当そう、後藤っちだけ呪われてないなんてあり得なくない?」
萩野海渚が扉の前に立つ。ニヤニヤ意地悪そうに笑って腕を組んでいる様子は悪役そのものだ。
「さっきさんざん見てたじゃない。これ以上どうしろっていうのよ」
バレー部で暮林夏凛のボディガードを自認する折原美等の力は強い。パフォーマンスで男子と腕相撲をしても引けをとらないくらいだ。その手を振りほどけないでいる後藤柚姫の耳元で折原美等がささやく。
「どうしよっかな。そうだ、手っ取り早く身体検査しちゃおうか?」
その言葉を聞いて後藤柚姫の身体に緊張が走る。爽やかなはずのシトラス系の香水も今は不快に感じるだけだった。




