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シニコク~4259  作者: 桜盛 鉄理
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八十八告目  後藤柚姫 1

 夏休中も後藤柚姫は図書室に来ていた。図書委員は後輩に代替わりしたが、受験勉強をするにも一番落ち着く場所だった。昼になり参考書を片付け、着替えるため更衣室に向かう。長期休暇のときは私服での登下校が許されている。午後は西木千輝と待ち合わせていた。

 更衣室で着替え始めると、荻野海渚と折原美等おりはらみらが入ってきた。二人は暮林夏凛の取り巻きだ。今やクラスのカーストトップは暮林夏凛だ。その勢いは滝村涼香がいなくなったことで誰にも止められなくなっていた。そしてクラスで後藤柚姫と西木千輝と親しくする人間は誰もいなくなっていた。いじめにこそ発展していないものの、それは暮林夏凛の号令待ちというだけの嵐の前の静けさに他ならない。

 二人はすでに私服に着替えていた。それなのに何をするでもなく後藤柚姫の着替えを横目に見ながらこそこそと話し込んでいる。今度は何の嫌がらせかと思うと気が気ではなかった。急いで着替えを済ませ出口に急ぐ。固い表情で二人の横を通り過ぎる後藤柚姫だったが不意に彼女らが話しかけてくる。

「そんなに怖い顔しなくてもいいじゃん、後藤ごとっち~。仲良くしようよ~」

「ついでに教えてほしいんだけど柚姫のアレはどこにあんの? おっぱい? それともお尻?」


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