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シニコク~4259  作者: 桜盛 鉄理
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八十六告目  上屋瑠守 11

琉生を瑠守に変更。

 牧田梨々子は保健室に「外出中」の札を出したあと、中庭でスマホをいじっていた。30分ほどして保健室に戻った彼女の目に飛び込んできたのは上屋瑠守がベッドで沢村望実の首をネクタイで絞めようとする光景だった。

 牧田梨々子は沢村望実を車で病院に運んだ。助手席には上屋瑠守を同乗させた。放心状態の彼も放置できる状態ではなかった。

 牧田梨々子の的確な処置もあり、沢村望実は大事には至らなかったがそのまま入院することになった。その後牧田梨々子は上屋瑠守を落ち着かせ事情を訊いた。

 上屋瑠守は沢村望実を殴って昏倒させネクタイを回収しようとしたのだという。呪われたらなにもかも終わる、それだけは避けなければという思いだけが頭の中にあったと話す。しかし逃げようとする上屋瑠守のジャージを、朦朧としながらも必死で掴んでくる沢村望実にそのとき訳もなく恐怖を感じてしまったのだという。

 上屋瑠守はそこで沈黙して涙をこぼし始めた。その涙に牧田梨々子は自分がしてきたことを恥じた。結婚を焦る沢村望実をどうにかしてやりたいと思い、この計画を持ちかけた牧田梨々子も同罪に違いないのだ。うまくやれるなどと奢った人でなしの自分を責めても今更どうにもならない。


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