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八十五告目 上屋瑠守 10
琉生を瑠守に変更。
「本当に? 本当にそう思ってる?」
「ああ……嘘じゃないよ、望実」
「望実って呼んでくれるの? ありがとう、ルイくん!」
沢村望実は喜色満面で上屋瑠守の胸に飛び込んでいく。抱擁を交わす2人。
「それでね。ひとつお願いがあるんだけど」
「なに?」
「その、証拠っていうか……キスしてほしいの。嫌?」
「なんだ、そんなことでいいの?」
「えっ?」
「証拠なんていうからこの前の続きかと思って。丁度ベッドもあるし」
「そんなこと! ……は、恥ずかしいよ」
「あれだけ誘っておいて今度はじらすんだ? ずるいな望実は」
そう言って笑うと上屋瑠守は腕の中の沢村望実を反転させてとん、と背中を押した。
「時間が無いんだ。するなら早くして」
「う、うん……」
何度か振り返りながら沢村望実はカーテンの向こうに隠れた。そこから上機嫌な彼女の癖のハミングが聞こえてくる。
しかしそれを聞く上屋瑠守からは次第に笑顔が剥がれ落ちていく。そして彼はバットを手にしてゆっくりとカーテンに近づいていくのだった。




