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シニコク~4259  作者: 桜盛 鉄理
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八十五告目  上屋瑠守 10

琉生を瑠守に変更。

「本当に? 本当にそう思ってる?」

「ああ……嘘じゃないよ、望実」

「望実って呼んでくれるの? ありがとう、ルイくん!」

 沢村望実は喜色満面で上屋瑠守の胸に飛び込んでいく。抱擁を交わす2人。

「それでね。ひとつお願いがあるんだけど」

「なに?」

「その、証拠っていうか……キスしてほしいの。嫌?」

「なんだ、そんなことでいいの?」

「えっ?」

「証拠なんていうからこの前の続きかと思って。丁度ベッドもあるし」

「そんなこと! ……は、恥ずかしいよ」

「あれだけ誘っておいて今度はじらすんだ? ずるいな望実は」

 そう言って笑うと上屋瑠守は腕の中の沢村望実を反転させてとん、と背中を押した。

「時間が無いんだ。するなら早くして」

「う、うん……」

 何度か振り返りながら沢村望実はカーテンの向こうに隠れた。そこから上機嫌な彼女の癖のハミングが聞こえてくる。

 しかしそれを聞く上屋瑠守からは次第に笑顔が剥がれ落ちていく。そして彼はバットを手にしてゆっくりとカーテンに近づいていくのだった。


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