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六十九告目 天人講 23
翌日、2人を連れて山に入ったのは木田村紹子だった。それぞれのテントが設置してある丘で改めて修行の内容を説明し、1食分の食料と水、採取に使う小型のナイフなどをそれぞれに渡す。あとは自分で調達して3日間をここで過ごすのだ。
だが後藤柚姫が背を向けたとき、その首筋にスタンガンが押し当てられる。訳が分からないまま地面に転がる彼女がそこに見たのは、憎々しげに顔をゆがめる木田村紹子だった。「何てことはない。はじめからこうすればよかったのよ」そう言いながら彼女は次に木田村恵のほうを向いた。手の中の凶器がバチバチと音を立てる。
「急に何するの? やめてよ、お母さん!」
「下手な芝居はやめなさい。分かっているのよ、あなたが何をしようとしているのか」
感情を押し殺すようにして彼女は木田村恵に言った。
「黙ってこのまま手駒になるか、プレッシャーに負けて相手を殺そうとして返り討ちにあったライバルか、好きな方を選ばせてあげるわ。私はどちらでも構わないのよ」




