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六十八告目 天人講 22
後継者候補が二人もいるというという状況は本来喜ばしいことであるが、日之原金剛はそれをまだ決めかねていた。そして思いあぐねた結果、修行の仕上げと称して山中で五穀断ちをして3日過ごすことを二人に命じた。
しかし翌日から山に籠もるという晩に、木田村恵は日之原金剛のもとを訪れ「私は到底後藤柚姫には及びません。お役目は辞退させていただきます」と言った。「ただ最後の修行はこのままやらせてください。競り勝って2代目に選ばれたということが彼女の自信に繋がるのですから」とも。
木田村恵の心変わりに驚く日之原金剛だったが、その後はどうするという問いに彼女は「できることならこのまま天人講に置いて頂ければと。2代目を支えていきたいのです。いいえ、それでは自分の心に嘘をつくことになる。私はあなたのお役に立ちたいのです」
と言って日之原金剛の肩にすがった。
自身も過剰な演出かと思ったが、隣室で隠れて聞いていた木田村紹子には覿面の効果があった。そう木田村恵は感じ取った。そして彼女は木田村紹子がこのあとどういう行動に出るかも予想していた。




