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六十七告目 天人講 21
天人講では木田村恵も後藤柚姫と同じ後継者候補として修行を受けることになった。後藤柚姫に一日の長があるものの木田村恵の修行もそれほど見劣りする成果ではなかった。日之原金剛も二人が競うことで効果が増していることを喜んだ。
一方で木田村恵は子供たちの中に自分の味方を増やしていく。修行や共同生活の厳しさにくじける子供をやさしく励まし、時には休ませて彼女がその分を負ってやった。だがそれは優しさに見せた甘やかしであり、子供たちに成功体験を通じて自主性を持たせたいと思う後藤柚姫と衝突することになる。表だった対立には至らないもののそれが子供たちの間に派閥を生んでいく。それすらも天人講を崩して奪うための木田村恵の計算なのだが。
またそのころから後藤柚姫は謎の倦怠感に襲われる日があり修行にも影響が出始める。それは木田村紹子が彼女の食事に密かに混ぜていた薬の副作用のせいなのだが、木田村恵にはそれを知っても見ない振りをした。我が子のためとは言え後継者候補を害する行為をした。木田村紹子を追いつめる材料のひとつになると木田村恵は考えた。後藤柚姫のことはどうでもよかった。復讐の前には些末なことだった。
半年後、後藤柚姫と木田村恵の後継者争いはほぼ横並びの状態となっていた。




