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六十三告目 天人講 17
あるとき食事の配膳中に女の子が転んで味噌汁を駄目にしてしまった。その子は天人講に来るまで虐待を受けていたことで体が弱く、普段の修行も休みがちだった。それを不満に感じていた日之原金剛はその子を強くしかりつけ、最後には「怠けている奴は死んだほうがいい」と言い捨てた。その言葉に女の子は「ここでもまた捨てられる」との恐怖から発作的に包丁を手に取り自分の首を切った。
女の子は幹部の車で急いで病院に運ばれたがその途中で失血死してしまう。日之原金剛はその事実をヤクザを使って隠蔽し「女の子は助かった。今は病院にいる」と子供たちに説明した。
次の日一人の少女が日之原金剛のもとを訪れ「私が天人講の後継者になります」と告げる。それが後に後藤柚姫となる少女だった(ここではそのまま後藤柚姫とする)。
女の子が首を切ったとき、他の子供たちの泣き叫ぶ声が響くなか後藤柚姫は止血を試みていた。そのとき彼女の腕の中にいる女の子の唇がかすかに「ごめんね」と動いた。それを見て後藤柚姫はこれ以上犠牲者を出させないと決心したのだった。




