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六十一告目 天人講 15
当初は順調に思えた天人講の運営も次第に陰りを見せるようになる。扱うデータは同じでもそこから導かれる託宣は両者では全く違っていたからだ。
多賀野ゆづの託宣は格言や引用を交え暗喩を含んだ表現で解釈に幅を持たせたものだった。相談者はそこから自分の中にある答えに自ずと気づくことになりそれが当人が満足する理由でもあった。そして相談者のお礼がリピートに繋がり新たな情報を産むという流れができていた。
対して日之原金剛の言葉は断定的で表現に乏しく、言わば一方的な結論の押しつけに感じられるものであった。会話が成立しにくい状況では相談者の満足が得られず、直接的な個人情報の開示は不信感に変わっていった。それは自分を磨いてこなかった不徳のせいでもあるのだが彼が気づくことはなかった。
日之原金剛は焦りから新たな情報ソースと相談の解決のため興信所やヤクザを頼るが、それは逆に彼らに付け込まれる隙となりさらに自分の首を絞める結果になる。繋がりをばらすと脅され金を搾り取られ、日之原金剛と天人講は少しづつだが確実に破滅へと追い込まれていく。




