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五十九告目 天人講 13
しかし天人講は突然終わりを迎える。多賀野ゆづが海外で事故に遭い消息を絶ったのだ。
だが彼女はこうした事態をも予見して準備していた節がある。まさに神がかりと言うべきだろうか。それに良くも悪くも天人講は多賀野ゆづの存在あってこそと自身が知っていたからだ。
塾としての天人講はひのわ会と名を変え法人化し谷口益美に経営が委ねられた。そして特別会員だった人たちにはお礼を分配し天人講はきれいに終わるはずだった。だが雨尻英郷はそれをしなかった。
金のこともあるが雨尻英郷は富裕層とのつながりを手放したくなかった。多忙な多賀野ゆづと彼らの間で取り次ぎをしているうちにいつからか賄賂を受け取るようになり、向けられる羨望の眼差しが自分に対してのものだと奢るようになった。




