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シニコク~4259  作者: 桜盛 鉄理
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四十九告目  天人講 3

 その後も多賀野宗平の回復は思わしくなく肺炎になりかけていた。しかし病院に行く金は無いため、多賀野ゆづは雨尻英郷を付き添いに頼み知り合いのヤクザに会いに行った。そこで見舞いだと幾らかの金を渡されたが結局どこにも足りるものではない。


「当てがあるのでもう少し付き合って下さい」

 そう言って彼女が次に向かったのは雀荘だった。多賀野宗平は麻雀で糊口をしのいでいたのだった。しかし多賀野ゆづが打つのは今日がはじめてだという。驚く雨尻英郷をよそに多賀野ゆづは席に座る。

「ボディガードだけお願いします。他に迷惑はかけませんから」

 そう言って勝負は始まった。


 相手は店の常連客たちで多賀野宗平には勝てずにいたらしい。丁度いい今日こそリベンジだと息巻いて多賀野ゆづに圧をかけてくる姿を見て、雨尻英郷はどうやって逃げるかと考えていたのだったが、彼女は一勝負も落とさなかった。


 最初のリードを守っての逃げ切り、最後に微差での刺し返し。はじめは危ない勝ち方に見えたが、雨尻英郷はそれも多賀野ゆづの狙いだと気づく。格下が必死で逃げる、手が届くはずと思うから相手も血眼で追ってくるのだと。


 常連客たちも最後には手持ちの金のほとんどを吐き出し、多賀野ゆづはさっきの10倍近い金額の金を手にしていた。


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