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シニコク~4259  作者: 桜盛 鉄理
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三十九告目  清水郁己 4

 夏休みの3日前。放課後に後藤柚姫は映像研の部室を訪れた。夕暮れに染まる部屋で清水郁己が彼女を待っていた。

「わざわざ呼び出してごめん。よかったら飲んで」

 清水郁己は笑いながらそう言うとペットボトルのお茶を勧めた。2本のうち片方を後藤柚姫が選んだあと、もう一方を清水郁己が手に取った。清水郁己が自分の椅子に座るのを見て、彼女も空いた椅子に座る。


「へえ……意外と片付いてるのね」

 後藤柚姫が部室を見回してつぶやく。お茶は開けず手に持ったままだ。

「生徒会の見回りがあるからね。あやしい部活って偏見もあるし」

 こういう所でいかがわしい映像を見ているとか、不良学生のたまり場になっていることとかを考えているのだろう。清水郁己からはそういう雰囲気を感じないが、後藤柚姫としては彼の持つ別の胡乱さが気になった。それが呼び出しに応じた理由だ。


「本当に偏見だけかしら? あやしいことって言っても色々あるわよね」

「君にまでそう思われてるとは心外だね。例えば?」

「書き込みを煽って掲示板を炎上させるとか、犯罪をほのめかすサイトを覗くとか。他にも……そうね、呪いを広めるとか」

 部屋の空気が変わる。清水郁己は笑っているが、その変化のない表情が仮面のようにも見えてくる。後藤柚姫は自分の直感が正しかったことを知る。


「……単刀直入だね。もう少し会話を楽しむとかしたらいいのに」

「そういう性格なの。それにそうも言ってられないでしょ。大体どう始末をつけるつもりでいるの?」

「僕が何を? って、もう君には通じないか」

「ええ。Usher Dollman……芦屋道満のもじりなのね。もう少しひねったら? 清水君」

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