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第18話 焦りを抱えながら

はあ。疲れた。

土曜も日曜も練習、練習(とついでに店番)。そりゃ疲れるよ。そもそも愛里は動くの好きじゃないし、お布団の中で一生過ごしたいとか思ってるくらいにはぐうたらだし。


とかいって、今日も練習あるんだけどね。基礎体力つけて、歌の練習、ダンス練習……結構ハード。世の高校生はよくもまあこれをやってのけたもんだよね……


というわけで。ただいま絶賛屈伸運動中であります。準備運動をちゃんとしておかないと後々大変らしいから。にしてもなぁ……


ま、それはいいや!とにかく練習、じゃないと怒られるもんね!

そのまま愛里たちは準備運動を続けた。丁寧に、丁寧に。そして準備運動が終わると、走り込み。


キツすぎ……学校の坂冗談じゃないくらいキツいよ、そもそも愛里歩いて上がるのさえ一苦労なのに。


なんて文句を言いながらもやっとのことで基礎練習を終えた愛里たちは、椅子に座って歌練習をしていた。ちなみにまな姉のクラスの教室ね。


『誰だって最初は』


『チャレンジしたてのBeginner』


『『大丈夫みんなも通ってきた道さOK?』』


まな姉とえま姉のパートが終わると、次は愛里の番。


『怖がって進めなくて涙流すよりも

恐怖心を打ち倒して前へススメ!』


「うん、とりあえずいい感じじゃない?」


サビ前まで歌うと、えま姉が大きく頷きながら言った。その言葉にまな姉と二人、うんうんと頷く。


「あとはさ、踊りながら歌えるかだよね〜」


とまな姉。ん?本番はどんな感じになるんだ?


「ねえまな姉、本番はどんな感じになるの?スピーカーで歌入りの曲流して踊るの?」


愛里が聞くと、まな姉はううん、と首を横に振りながら言った。


「ではないんだけど……放送部さんがなんか手伝ってくれるらしいんだけど……私話し聞いてもわかんなくて……ゆりかちゃんと一緒に行ったから、ゆりかちゃんならわかると思うんだけど」


うーん、なんとも頼りない……これは、まな姉の言う通りゆりかちゃんに聞きに行った方が早そうだな。


「ゆりかちゃんってどこの教室にいると思う?」


愛里がドアの方まで歩きながら尋ねると、えま姉が「うちのクラスだと思うよ〜」と言ってくれたので、えま姉のクラスの教室まで急ぐ。


教室に着き、トントン、とドアをノックして入ると、ダンスの練習をしているゆりかちゃん達……EIGHTH STARがいた。


「あれ、愛里ちゃん!どうしたの?」


愛里に気付いたれなちゃんが声をかけてくれる。


「あのね、ゆりかちゃんに用事があってきたんだ。本番について色々聞きたいんだけどいいかな?」


「うん、いいよ!何が聞きたい?」


ゆりかちゃんは快諾。愛里はポケットからペンとメモ帳を取り出すと(練習中は出していたけど、ここに来る前に入れておいたの)、口を開いた。


「あのね。準備のこととマイクのことを聞きたいんだ。本番の準備はいつするか、ポスターはどうするのか、本番は生歌なのか録音なのか。とりあえずそれがききたいかな」


愛里の言葉に、「えーっとね」と顎に右手の人差し指を当てながらゆりかちゃんは言う。


「準備についてはまだ打ち合わせしてないから、愛佳ちゃんと先生と三人で打ち合わせかな。ポスターについては今日グループチャット出話し合いをする予定。本番は、もう放送部さんにお願いして、マイクを用意してもらおうと思うんだ。ポケットに機械入れて後ろから口元に引っ張るタイプのマイクと、スタンドマイク。どっちでも貸し出せるらしいから、決まったら教えて!」


その後も細々とした質問と応答を繰り返し、とりあえず今日のところはいいかな、というところで。愛里は言った。


「ありがとう!お邪魔しました…!」


いいよー、とか、頑張ろうねー!とか言うみんなの声を背に、愛里はお姉ちゃんたちのもとへ急ぐ。焦りを抱えながら。

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