ランカーの集い
「いきなりぼっちはやめてくださいよアヤメさん。」
「ん?
なんで?
ぼっちじゃん。」
「そうですけど。」
もうやだ。
この人はランキング五位のアヤメさん。
何かと僕が一人なのを弄ってくる。
曰くゲームはみんなでするから楽しいのだとか。
僕にはわからない。
「おい、五番話を遮るな。」
「はん!
二番が偉そうに!」
「お前よりは偉い。」
「強いだけであって偉くはないでしょうが。
ただ私よりも暇人であっただけでしょ?」
ばちばちと火花が舞う。
よく見る景色なのか、みんな普通にしている。
あの人が二位か。
見た目は完全に幼女。
中身はどうなのか気になるところではある。
因みに僕と交流があるのはアヤメさんとミツキさんの二人だけ。
交流と言っても数回喋っただけなのだけど。
他の人たちは名前も知らない。
ぼっちですけどなにか。
「はいはい、そこまで。
やっと揃ったんだし軽く自己紹介して話の続きに入ろうか。」
そう言ったのは眼鏡をかけた糸目の男性。
すごく優しそうだ。
「じゃ、私からいくよ?
私の名前は戸塚。
種族はこう見えてエンシェントエルフとヒューマンのハーフ。
ファーストは魔道士、セカンドは狂人、サードは魔神。
ランキングは一位。
よろしく。」
そう言って微笑む戸塚さん。
この人も狂人のジョブについてる。
なかなかの廃人だろうと予測する。
「じゃあ次は二番のわし!
名前はセントリーヌ。
種族はハイドワーフと黒狼人のハーフ。
ファーストは拳闘士、セカンドは闘神、サードは狂人。
敬え。」
ふんすと鼻息荒く捲し立てたのは小さな体の女の子。
よく見れば狼の耳と尻尾が生えている。
この世界の女ドワーフはロリ系なのか。
「ふん。
ワンコロがよく吠える。
俺はアヤメ。
種族は巨人族とハイドワーフのハーフ。
ファーストは鍛治士、セカンドは錬金術師、サードは狂人。
順位で言えば五番か。
よろしく頼む。」
セントリーヌさんを睨みつけながらの自己紹介。
同じハイドワーフのハーフなのか。
だから異常に敵視しているのかな?
「ほら、ドルフくんでしょ?」
「あ、ああ。
ドルフと言います。
種族はハイエルフとドワーフのハーフ。
ファーストは錬金術師、セカンドは魔闘士、サードは狂人。
ランキングは八位です。
よろしくお願いします。」
よし、ちゃんと言えた。
「次は私ね!
名前はミツキ。
種族はエンシェントヴァンパイア。
ファーストは結界術師、セカンドは時空魔導士、サードは狂人。
よろしく。」
うわあ、漏れなくみんな狂人だよ。
狂人ってそもそも何のジョブなんだよ。
「次は俺か。
名前はリョウ。
種族は狼人と白虎人のハーフ。
ファーストは拳闘士、セカンドは戦士、サードは狂戦士。
順位は十。」
白いもふもふである。
「じゃ、僕ね。
名前はティム。
種族は龍人。
ファーストはテイマー、セカンドは吟遊詩人、サードは薬師。
十二番だね。
よろしく。」
爬虫類の身体。
体が大きい。
一番強そうなのにジョブが面白い。
「クロ。
黒妖精人。
以上。」
一際暗い女の子。
種族と名前しかわからなかった。
同じ匂いがする。
「え、えと。
ユナです。
ハーピーと魔女のハーフです。
えと、ファーストは黒魔導士でセカンドは呪術士、サードは死霊魔導士です。
一番低いですがよろしくです。」
ぺこりと頭を下げる眼鏡っ娘。
おとなしい見た目とジョブのギャップがすごい。
何となくお互いを把握したことで席に勧められる。
両隣はミツキさんとアヤメさんだ。
少しだけ安心した。
「で、議題は何だったか。」
「ふっ、その小さなオツムでは覚えられないか。」
ばちばちと隣でアヤメさんとセントリーヌさんが火花を散らしている。
「はいはい。
いい加減怒りますよ。」
戸塚さんが睨みを効かせる。
笑顔な筈なのになぜか怖い。
怒らせるとやばそうだ。
「議題は〈ノンプレイヤーとプレイヤーの救出どちらを優先するか〉です。」
「え。」
予想外の発言に声が溢れた。




