バカの発言
「そんなのノンプレイヤーに決まってるじゃないですか?」
「ほう。
ドルフとやら、なぜそう思う?」
なぜ?
いや、普通に考えてノンプレイヤーを急いだ方がいいだろう。
プレイヤーなら自力で何とかできる力を持っている。
「プレイヤーなら一人でも生き残る確率は高いですが、ノンプレイヤーはどうしようもないんじゃ。」
「つまり、ノンプレイヤーは弱いから守ってあげなければ、ということじゃな?」
弱いから、うん。
プレイヤーよりは圧倒的に弱い。
「まあ、言い方はあれですけど、そんな感じですね。」
「ほう。
では、聞くが。
生産職がランクBのモンスターに囲まれて助かる確率とノンプレイヤーがランクBのモンスターに囲まれて助かる確率。
どっちが高い?」
ランクB?
そんな高ランクのモンスターに囲まれて助かるやつなんてランカーくらいだろ。
「どういうことですか?
そんなのどっちも無理でしょう。
そんな極端な話じゃなくて、「うむ。」
え?」
「そう。
これは極端な例。
ドラゴンの前から弱いやつとさらに弱いやつ、どっちが逃げられるのかってのと同じ。」
何が言いたいんだ?
頓知か何か?
「何が言いたいん「今のこの状況はどうだ?」
「今や街中に突然モンスターが現れる。
強さもまちまち。
死んだらゲームオーバー。
非戦闘員がその中を一人でも生き抜ける?
冗談が過ぎる。」
セントリーヌさんの眼力におされる。
思わず黙ってしまう。
「y.pの世界ですら死に戻りは珍しいことじゃない。
わしらランカーであっても、じゃ。
それだけモンスターとは理不尽なもの。
ランカーのお前ならよくわかっているはずじゃ。」
しっかりと目を見つめられる。
僕は何も言えない。
「そんな中、どこにいるかも生きてるかもわからないノンプレイヤーの救出を優先すると言った。
理由は?
ノンプレイヤーは弱いから?
非効率的だ。
愚かと言ってもいい。」
...。
「だったらゲームシステムで生死、居場所の掴めるプレイヤーの方が助かる確率は高い。
それに、どちらが生き残った方が利があるか。
わからないわけではないだろう?」
うん。
言ってることはわかる。
大丈夫。
けど。
「それでも僕はノンプレイヤーを救出するべきと考えます。」
「...話聞いておったか?」
呆れられた。
「これは議論ですよね?
僕の意見言ってもいいんですよね?」
戸塚さんはニコリと頷いてくれた。
「セントリーヌさんの言ってることはわかります。
その通りだと思いました。」
けど。
「それは僕には言い訳に聞こえました。」
「は?」
「生きてるかわからない?
どこにいるかわからない?
プレイヤーの方が有益?
それはノンプレイヤーを見殺しにする理由にはならないと思います。」
「誰も見殺しにするとは言っとらんじゃろ...」
呆れた顔で首を振る。
「いや、居場所もわからない人間をこれ以上救出遅らせるなんて、しねって言ってるのと同じでしょ。」
空気が凍った気がした。




