結末 7の2 【すずの妹】
いつもコメントや誤字脱字のご報告ありがとうございます。
ご指摘のありました登場人物について結末の前に簡単にではありますが登場人物紹介をのせました。
五年前。
私達一家の日常はお姉ちゃんのせいで壊れてしまった。
警察官がお姉ちゃんを訪ねてやって来た数日後。私達は逃げるように住み慣れた土地から引っ越しをしたの。
私達家族は警察官から聞かされた内容に頭が真っ白になってしまった。地元に居られない程の事をお姉ちゃんがやってしまったのだ。
この日を境に私達の周囲の環境が劇的に変わってしまった。
これまでの人生で培ってきたほぼ全てが……嫌悪や軽蔑等のマイナスなモノに変わってしまった。悪意に私達は耐えられなくなり、私達を知らない遠くへと行く事にしたのだ。
「……グス」
この状況でも変わらず接してくれた仲のよいお友達ともう一生会えないと思うと涙が溢れてくる。
「……何年経っても辛いわね」
五年前を思い出して私は独りごちる。
目の前にはスヤスヤと穏やかな表情で眠る姉の姿。私は拘束具で拘束された姉へ向かい言葉を、
「こんなに成る程、大切な人だったのなら……何故裏切る様なことを……私だって優太さんの事を好きだったのよ」
吐き出した。
私の初恋は、優太さんとお姉ちゃんの幸せそうな二人の姿を見て、私の入り込む余地は無いと心にフタをしていた。
二人はお似合いだった……と、思っていたのに……こんな事になるのなら告白してみるべきだったわ。
見慣れた格子の嵌まった窓から外を眺めて。
「もう四年になるのね」
私はため息を吐き、視線を姉へ戻して、壊れて病んだ姉に語りかけた。
「朝のニュースで放送されていたけれど、優太さん……来月結婚するみたいよ」
言葉が眠る姉に届いたのだろうか、一瞬だけ苦しそうな表情を浮かべると、一筋の涙が姉の頬を伝った。
姉の様子に緊張する私。普段は虚ろな状態ですごす姉が拘束されているのは悪夢でも見ているのか突然錯乱して暴れだす事があるからだ。今回は暴れだすことは無く、私はほっと息を吐く。
「これだけ伝えたかったの。
多分、私がここに来ることはもう無いわ。さようならお姉ちゃんだった人」
言って、私は踵を返して歩き出し、病室を後にした。
四年前。
すずはなんとなくつけたテレビでスノーフレークの歌を聞き、絶叫を上げ、心が壊れてしまった。
私が姉の悲鳴に駆け付けた時、テレビではスノーフレークが……優太さんと一人の女性が仲良く、姉の思い出の曲を歌っていた。
「それ……私の……何でよぉ……」
カタコトではあったが、これが私の聞いた完全に壊れてしまう前の最後となる姉の言葉となったのだった。
〖結末 7の2 【すずの妹】〗を最後までお読みいただきありがとうございます。
次の話で完結となります。
次の話を投稿する前にれんの話について修正を行います。
また、気になった部分があるので最終話の書き直しをしようと思いますので少しお時間をいただくかもしれません。申し訳ありません。




