結末8【二人の未来】
半年間もの間。
音信不通申し訳ありませんでした。
この話で
受験勉強していたら幼馴染みの彼女が浮気してた。
完結となります。
スノーフレークとしてメジャーデビューを果たして約六年の時が流れた。優太と夏葉は手を取り合い目まぐるしい日々を過ごしてきた。
彩香やあさひ達事務所のスタッフ。学生時代からの友人である静や剛志達支えられて二人は順調に激動ともいえる人生を駆け抜けてきた。
そして……
「いよいよ。明日だな」
優太は寄り添う夏葉の手を握り締めて言った。
「……そうね」
「……って、どうした!」
優太は慌てふためく。その目に涙を溜めて優太の言葉に声を返す夏葉の姿にぎょっとする。
慌てる優太に夏葉は首を振り、微笑みを浮かべる。柔らかな幸せそうな笑みを。
「……っ」
夏葉の表情。その仕草に優太は見惚れる。
「うれしくて……。
優太さんの隣にはいつもあの人が居たから……こんな日が来るなんて。今でも夢じゃないかって……きゃ!」
突然抱き締められ驚く夏葉。
そして、気付く。私を抱きしめる優太の体が少し震えていることに。信頼していたあの人の浮気が彼の心をキズ付け、二人で前に進む事に対して怯えさせて居ることに。
「私は貴方を絶対に裏切らない。大丈夫よ……あ・な・た」
痛いくらいに私を抱きしめる優太の体を夏葉は包み込む様に優しく抱きしめ返した。
六年前。すずが任意同行の末に逮捕され、彼女が実際にやってしまった罪状を知り、信頼や愛するということに対してまた裏切られるのでは……と、相手を信頼すればする程に最後の一歩を踏み出そうとすると心が恐怖してしまうようになってしまったのだった。要するに心理的トラウマである。
あれから六年が経ち大分良くなってきたがすずを思い出すと今もこうして震えてしまうのだった。
心に折り合いをつけるまで約五年という月日を重ね、優太はやっと夏葉が心から待っていた言葉を告げた。
そして、その言葉は明日。いよいよ形となるのだ。
二人は明日、結婚式をあげる。
二人の結婚式は仕事の関係上大規模なものとなった。
テレビ中継も何社か式場に入っている。
「流石に規模が千人超えるとすごいな」
「会場かなり広かった筈なのに、信じられないくらいぎゅうぎゅうよね」
高砂席に座り、主役の二人は周囲を見渡して呟いた。
二人の視線は、仕事関連から友人が座るテーブルへと向かう。
『…………』
友人達は優太と夏葉の視線に気付くと、笑顔で『おめでとう』のサインをおくる友人達。
式が終わり、二次会。
二次会から参加した友人達に囲まれ祝福される優太と夏葉。
「あの規模で仕事関連の招待枠が足りなくなって企業同士でガチで枠の取り合いになったて噂本当か?」
そう言って剛志が歩み寄る。
「まあ、なんだ……呼んでくれてありがとうな」
「事務所に招待枠の問い合わせは殺到していたとだけ言っておく。ちなみに剛志は絶対に式には呼ぶつもりだったぞ」
「ハハハ。今日はお前のおかげで色々とパイプが出来たよ」
「そう言えば、色々な人に名前を売り込んで居たな……俺等の結婚式で」
ジト目を向ける俺に剛志は手にしたビールを口に運び、
「……ぷはぁ。
こんなチャンス逃せないだろ。その代わり今度なんか奢るよ」
「私達二人分……ですよ」
と。話に加わる夏葉。
「了解しました」
「ああ。そう言えば、タダシから聞いたんだか……タダシと明海な。あの二人付き合いはじめたらしいぜ」
「タダシ?」
「誰?」
知らない人物名に首を傾げる優太と夏葉。
「ん……ああ。そう言えば名前知らないか……タダシは明海が退学して謝りに行った俺の友人だよ」
『ほへ?』
剛志の言葉に目を丸くして二人は驚く。
「詳しくは聞いていないが、タダシに謝罪した時、明海も責任とるためにかなり無茶してお金稼いだみたいでな。
タダシが言っていたよ。誰が黒幕か分かってなかったんだから黙っていれば……責任感じることもなく無難に人生歩んで行けただろうに……真っ直ぐでバカな女性だってさ。
皮肉なことに今では……人の悪意にキズ付いてきたタダシにとって、明海は信頼出来る人なんだって言ってたよ。そのタダシも彼女の為に今年定時制高校を卒業予定。大学受験に挑戦するって張り切っていたぜ」
「意外すぎる展開……何が起こるか本当わからん世界だなぁ」
「明海もある種の被害者と言えなくはないし……俺はうまくいってほしいと思うよ」
言って剛志は空のグラスをテーブルに置いた。
「どうしたの。しんみりして?」
ドレスを着た静が三人に歩み寄る。
「あっ静♪」
静に気付いた夏葉はニコニコしながら彼女に抱き付いた。嬉しそうに笑う夏葉。それには理由があった。
「ちょっと飲み過ぎよ。なっちゃん!」
「エヘヘ。だって嬉しいんだもん」
そう言って、静から離れるとドレス姿を皆に見せつけるように一回転する。
「こんなドレスを着れるなんて思わなかったから……静。ありがとう」
「どういたしまして……でも、まだこれからよ。メスの跡を完全に無くして見せるわ。外観は勿論、感触も含めてなっちゃんの肌を取り戻してみせるわ。絶対に……」
目を凝らさねば手術痕がわからない程になった夏葉のキズ口を見つめ静は力強く宣言した。
夏葉はそんな静の想いが嬉しくて再び抱き付いたのだった。
「ところで、この前。紹介された彼とはうまくいっているの?」
話も落ち着きはじめた頃、夏葉が思い出した様に静に問いかけた。
「彼?」
剛志だけ首を傾げる。優太は夏葉と一緒に静から紹介されていたから夏葉の言葉の意味は察したのだ。
三人の視線が自然と静に集まる。
集まる視線にあたふたする静。その様子から何かを察したのだろう夏葉はニヤリと笑い。
「その様子だと順調そうだねぇ」
「じじ、実は」
夏葉の追求に顔を赤くしながらとうとう口を割る静。
「二人に彼を紹介した日の夜。プ、ププロポーズされたの」
『……ええっ!』
静の言葉に三人は同時に驚く。
「おめでとう静!」
「静さん。おめでとう」
「おめでとう……俺もそろそろ彼女欲しいなぁ」
言葉の後半に気持ちを込めて剛志は言うと天井を見上げる。
「あ、ありがとう」
「絶対に呼んでよね静!」
「なっちゃんを私が招待しないわけ無いじゃない……って、言ってもまだだいぶ先の話よ。まだ何も決まってないもの」
《完》
結末8〖二人の未来〗をお読みいただきありがとうございます。
いろいろと調べながら執筆しましたが矛盾やおかしな部分が多々あったかと思いますが、最後までお付き合いいただき本当にありがとうございます。
追記
5月25日に短編〖隣街のアイドルと幼馴染みの少女〗を公開
5月27日に連載〖老後に備えて株をはじめたら全て溶かしてからはじまる俺の人生〗を連載開始予定。更新は週1~2話程度。
5月28日に連載〖忘れられた約束〗を連載開始。更新は週1~2話予定。




