第八話
俺と野沢さんはシンさんの身元確認の為に
タクシーで警視庁に向かった。
俺は野沢さんに気になる事を聞いた。
「野沢さん」
「はい?」
「あんた何で俺の名前知ってんだ?」
「それはシンさんの身元確認が終わってからにしましょう。」
俺はこの人に名前を言った覚えはなかった。
なのに何故この人は俺の名前を知ってんだ?
不安がある中警視庁に着いた。
野沢さんが受付をしてくれてすぐ霊安室に案内された。
シンさんは公園で休んでいたら複数名に
襲われたと死因は頭部への脳挫傷と警官からの
説明があった。
霊安室に入り覆ってた布を捲り顔を見たら
そこには顔中アザだらけのシンさんが
横たわっていた。
「シンさん…」
俺は声が出てしまった。
野沢さんはシンさんの手を握りこう言った
「シンさん……痛かったでしょ……」
少し前まで俺とシンさんは思い出話をしながら
笑っていたのにたった数時間後こんな形で
再会するなんて。
「シンさん…後のことは任せろ…」
こんな人を複数に襲われたら
助からねぇよ…
俺は拳を握りシンさんを殺った奴を見つけて
落とし前をつける事を誓った。
「斑目さん……そろそろ行きましょう……
また来ますね……シンさん」
俺達は霊安室を出た。
そしたらそこに現れたのは
「斑目久しぶりだな」
警視庁暴力団対策課の西寺だ。
「ここに居るって聞いてな事情聴取だ」
「俺を疑ってるんすか?」
すると西寺は俺の胸ぐらを掴んでこう言った。
「一度殺った人間はなぁ疑われても
仕方ないんだよお前が殺ったのか?」
「俺は殺ってねぇよ、てか離せよ」
「なんだと?適当な理由つけて留置場に入れる事も出来るんだぞ?」
すると野沢さんが間に入りこう言った。
「それ以上お話をすると私も黙ってられませんな…」
「あぁ?なんだじじぃ?」
するとそこに制服を着た警官が野沢さんに話しかけた
「これは野沢さんではないですか?」
「これはどうも小池署長」
そんな会話をしていると
西寺は小声で俺に
「俺はお前をマークしてるからな」
その場を後にする西寺
それを見た野沢さんは
「それでは小池署長また今度お茶でも」
「いいですな是非」
「斑目さん行きましょう」
警視庁を後にする俺達
夜道を歩いている時
俺は野沢さんに聞いた
「野沢さんあんたシンさんの身元引受人だったのか?」
「えぇ…シンさんには前々から頼まれていました。
あの御方はいつ死んでもおかしくないでも最後ぐらい名無しで死ぬより「イイダシンイチ」と分かって死にたいとシンさんからお願いされまして。」
「そうか」
俺はこの人が嘘を言ってるようには見えなかった。
シンさんも信頼しているのも知っていた。
だからこそ俺は聞きたかった
「野沢さんタクシーで言った事なんだけどよ…」
野沢さんが言ってきた。
「明日朝一番また事務所に来てください。会わせたい方がいるのでそこで斑目さんの疑問をお答えしましょう。」
株式会社リリーの前に着く
「それではまた明日お会いしましょう」
そう言って建物に入っていく野沢さん
俺は次の日の事を考えアパートに戻った。
同時 警視庁
電話をかける西寺
「もしもし…斑目が来ました。はい……はい…何か分かり次第連絡しますので…はいそれでは」
朝 事務所前
俺は昨日の約束通り
事務所来て話を聞く事にした。
扉を開けるとそこには
野沢さんと若い女性が立っていた。
俺に気づいた野沢さんが俺に、
「おはようございます。斑目さん紹介しますね。
こちら社長の河本ゆりさんです。
お嬢様こちら昨日お話した斑目仁さんです。」
「初めまして、斑目さん、河本ゆりです。」
株式会社リリーの代表取締役
河本ゆり
「初めまして、斑目です。
野沢さん昨日の件話してくれますか」
「そうですね。ではソファに座ってお話しましょう。今コーヒー入れますね。お嬢様は紅茶で」
俺達は挨拶をそこそこに終わらせて
ソファに座り
昨日の話の続きをした。
「それで野沢さんなんで俺の名前知ってたんだ?」
「ある御方に斑目さんの事を調べていただきました。」
野沢さんはカバンからある資料を俺に見せてくれた。
その資料に目を通すと、
俺の幼少期から鬼頭組での生活
そしてあの事件の詳細までそして、
十年間の獄中生活など全て記載された書類を
見せてくれた。
「俺の事を調べたのか?」
野沢さんは俺の顔を見ながらこう言った。
「先に斑目さんの事調べた事について申し訳ありません。ですがここからはお嬢様の話してを聞いてほしいのです。」
すると彼女が重い口を開いた。
「梶原豊とゆう人知ってますよね?……」
「あぁ……」
忘れもしない
10年前の事が未だに脳裏に残ってる
すると彼女は一枚の写真を見せてくれた。
幼い女の子とスーツ姿の梶原豊が
写っていた。
「これは?」
俺はその写真を見ながら彼女に聞いた。
彼女はこう言った。
「私の父です……」
「えっ?」
「と言っても会ったのはそれが最後ですけど」
俺は驚いてしまった。
続けて彼女は教えてくれた。
「私は5歳の時に今の河本家に養子として来ました。父は友人の借金を肩代わりして、
母は私を捨て…家を出ていきました。
毎日借金取りが家に来て父は疲れ果てていました…
限界だったのか父は友人だった河本家に私を養子として迎えてくれてお願いし、私は河本家に入る事になりました…」
彼女はそう言うと紅茶を飲んで俺を見つめてきた
俺は黙ったまま彼女の話を聞いていた。
すると彼女はまっすぐな目でこう言ってきた。
「斑目さんにお聞きします…………
十年前貴方が父を殺したのですか?」




