第二話
十年前
債権回収を終えた俺は
家に帰りシャワーを浴びていた時
インターホンが鳴り
着替えを済ませて玄関の扉を開けると
そこには数名の警察官が立っていた。
俺が驚いていると一人の警官が
近付いてこう言ってきた。
「斑目仁だな?
警視庁の者だが梶原豊殺害の容疑
で署に同行してもらう。」
意味が分からなかった。
「俺は殺ってない」
と言っても警官達は俺の言葉なんて信じず。
「無駄な抵抗はやめろ
後は署で話を聞く」
と言ってすぐに取り押さえられパトカーに乗せられたのだ。
警視庁ではすぐに取り調べが始まった。
「斑目さっさと吐いたらどうなんだ」
「俺は殺ってない」
一枚の写真を見せてきた。
「じゃあなんでお前の指紋が付いた
凶器が現場にあるんだ」
俺は驚いてしまった。
その写真には俺が会っていた梶原豊
本人だった。
俺が路地裏を出るまで生きていた梶原が
刺されて死んでいたのだ。
「梶原さんはなぁ…後ろから刺されてるんだよ
分かるか?お前が殺ったんだろう」
俺の後ろに回り込み肩に手を置いて
耳元でこう言った。
「金出すのを躊躇ったから殺ったんだろう?」
この男は暴力団対策課の捜査官 西寺浩一と言う。
俺はこの西寺を睨み
一言だけ言った。
「弁護士を呼んでくれ」
机を叩き部屋を出ていく西寺。
俺は留置場に入れられ。
すぐに誤解が解けて俺はここから出れると思い眠りについた。
朝、目が覚めると一人の警官が俺に言った。
「斑目面会だ」
面会室に行くと舎弟が立っていた。
「兄貴お疲れ様です。」
頭を下げて言ってきた。
「おう。」
俺は椅子に座り舎弟の顔を見た。
舎弟は顔面蒼白で今にも倒れそうな顔をしている。
そんな俺は心配になりこう聞いた。
「どうした?」
すると言いにくそうにこう答える。
「兄貴が逮捕された後おやっさんと頭はすぐに本家に呼ばれました。」
立て続けにこう答える。
「兄貴の事でかなり揉めているみたいで未だにおやっさん達は帰ってきてません。」
「そうか迷惑をかけてすまない」
俺は舎弟に謝った。
ここで俺は気になる事を聞いた。
「龍はどうした?あいつに頼みたい事があるんだよ」
龍とは澤田龍輝
俺の弟分だ。
「澤田の兄貴もおやっさん達に付いて行ったのでまだ戻っていません」
「そうか...」
少し間が空くと
「時間だ。」
警官が時計を見て俺達に言った。
「兄貴」
「大丈夫だ、心配するな。」
そう言って部屋を出る。
俺は体力的にも精神的にも限界だった…
なのに連日長時間の尋問を受けていた。
ある朝
「斑目面会だ」
俺は面会室に行くと。
そこには弁護士がいた。
「初めまして弁護士の谷原です。
斑目さん、今日はこれからの流れについて説明させてください」
「流れなんてありませんよ先生。」
俺はそう言うと。
弁護士の谷原はこう言った
「斑目さん、これ以上の尋問は辛いはずです。どうでしょうか?罪を認めてしまうのは。」
机を叩いてこう言った。
「何言ってんだてめぇ」
当たり前だ。
こんな事許せる訳がない。
すると谷原はこう言った
「物的証拠もある目撃者は居ないこれは完全に負け戦です。」
何言ってんだこいつは、
俺は面会室から出ようとした。
そしたら谷原はバッグからある白い封筒を俺に見せた。
「斑目さん本家からこれも預かりました。」




