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ROAD  作者: たけまる
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第十四話

俺と野沢さんは天鳳街を歩いた。

「なぁ……野沢さん」

「はい?」

「あんたなんでエマみたいな情報屋知ってるんすか?」

「えぇ……昔河本家も色々とありましてね……

その時に優秀な弁護士やエマさんみたいな情報屋と

縁ができたんです」

そんな話をしながら俺達は営業に回った。

株式会社リリー。

債権回収業者として

会社に利益をもたらさなきゃならねぇ。

そんなことを考えていると、

野沢さんがふと口を開いた。

「斑目さん……シンさんの納骨日が決まりましたよ

来週にも無縁墓に納骨します」

「シンさんには親戚はいないのか?」

「えぇ残念ながら……」

「そっか………なら俺も顔出します。」

「よろしくお願いします。」

あの人には色々と世話になった。

最後ぐらい、きっちり見送ってやらねぇとな。

「斑目さん、そろそろ次のお店に行きましょうか」

「あぁ、そうだな」

今は感傷に浸ってる場合じゃねぇ。

俺には俺の、やるべきことがある。

そうして俺達は、次の営業先へと向かった。

ラーメン屋の店先で怒号が聞こえてきた。

「またてめぇらか、

他のお客さんの迷惑だろうが」

「俺達は客だぞ?おっさん」

「いいから帰れ」

「んだとコラッ」

男の一人が、店主の胸ぐらを掴んだ。

その瞬間、俺は男達に声をかけた

「おいお前ら他のお客さんに迷惑だろ?

さっさと失せろ」

「んだてめぇ」

こういう連中に、まともな話が通じるとは思えねえ。

男は店主の胸ぐらを掴んだまま、

俺を睨みつけてきた。

「おい、聞こえなかったのか? その手を離せ」

「てめぇ、何様のつもりだ?」

男が店主を突き飛ばし、

俺の方に歩み寄ってきた。

「……やれやれ。営業に来ただけなんだけどな……

野沢さんすんません。」

一人の男が勢い良く殴りかかってくる

俺は避けることもせず、その拳を顔面で受け止めた。

「えへへ……えっ?」

俺にとってはこいつの拳なんて弱すぎる。

「おい……お前もう少し本気で打ってこいよ……」

すかさず俺はそいつの腕を握る。

「これ……正当防衛な」

地面に叩きつけた。

もう一人の男が俺に飛びかかってきた。

「てめぇ」

俺は一歩踏み込み、

男の懐に潜り込んだ。

「遅ぇよ」

次の瞬間、拳を顔面に叩き込んだ。

「ぐはっ!!」

男の身体が大きくよろめき、

そのまま地面に崩れ落ちた。

挿絵(By みてみん)

俺は奴らの前に出て

圧をかけながらこう言った。

「お前ら今日は帰るよな?」

「……はい」

二人の男達は、

逃げるようにその場を去っていった

「ふぅ」

俺は小さく息を吐いた。

やっちまった。

営業に来たというのに、

派手に暴れてしまった。

絶対に野沢さんに怒られる。

そう思っていたのだが野沢さんから声をかけられる。

「斑目さん……さすがです」

「……えっ?」

「これですよ!」

野沢さんは嬉しそうに言った。

「困っている人やお店を助ける。

それが我々の店舗支援なんです」

「……なるほど」

「まあ、毎回殴って解決するわけにはいきませんけどね」

「……ですね」

すると野沢さんはラーメン屋の店主に声をかけた。

「店主さん、お怪我はありませんか?」

「あ、ああ……助かったよ。ありがとう」

「実は私達、こういったお店のトラブルを解決する仕事をしておりまして」

野沢さんは名刺を差し出した。

「株式会社リリー……?」

「ええ。何かお困りのことがあれば、

ぜひご相談ください」

すると店主は、少し考え込んだ。

「……実は、もう一つ困っていることがあるんだが」

「何でしょう?」

「さっきの連中なんだけどね……」

店主は困り果てた表情で話し始めた。

「ここ数日、毎日のように店の前で騒いでいるんだよ」

「毎日ですか?」

「ああ。おかげで客足もすっかり遠のいてしまってね……」

「なら我々で調査しましょう。」

「いいのかい?」

野沢さんは、もう一枚の名刺を取り出した。

「もちろんそれとこちらも渡しておきましょう」

「これはなんだい?」

「うちと提携している弁護士の名刺です。

何かあったら相談してください」

「弁護士さんか……」

「ええ。有能な先生ですよ。

しかも、かなり美人です」

「ははは……そりゃ頼もしいね」

「調査で何か分かりましたら、

こちらからご連絡しますので」

俺達は店主に挨拶を済ませ、店を後にした。

歩きながら俺は野沢さんに話しかけた。

「すげぇな野沢さん……」

「何がです?」

「俺みたいに暴力でしか

解決するしか脳がねぇ野郎とは違くて

あんな簡単に営業取れるなんてよ。」

「何言ってるんですか、斑目さん。

あれは貴方がいてくれたからですよ」

「俺がいたから?」

「ええ。貴方は困っている人を放っておけなかった。だから、店のマスターも我々を信用してくれたんです」

「……そうなのか?」

「そうですよ。それに、貴方は暴力でしか解決できないと言いましたが……」

野沢さんは俺の方を見て、微笑んだ。

「私は、貴方が誰かを守るために拳を振るったように見えましたよ」

俺は何も言い返せなかった。

誰かを守る為振るう拳……

そんな事考えた事も無かった。

「さぁ斑目さん……これから調査ですね」

「……あぁ」

事務所に戻ると

応接室で一人の女性が座っていた。

「やっほ〜仁ちゃんに野沢っち」

「エマ?」

「これはこれはエマさんお久しぶりです。

お茶がまだでしたね。エマさんは確かレモンティーでしたね。」

「さすが野沢っち〜」

俺はソファに座りエマの話を聞く事にした。

「さっきラーメン屋で暴れたって聞いたけど大丈夫〜??」

「さすが情報屋って所か」

「えへへ……」

すると、先程まで笑っていたエマが、

不意に真顔になった。

「……さてと。そろそろ本題に入ろっか」

エマはバッグから一通の封筒を取り出し、

テーブルに置いた。

「今日はね、

株式会社リリーに仕事をお願いしに来たの」

「……俺達に?」

「うん。仁ちゃんにしか頼めない仕事なの」

俺は封筒の中身を確認する。

「昨日の夜仁ちゃん達がイエローダンプの事件解決したでしょ?そしたらウチの店にこいつが来たの……」

封筒の中身を確認。

俺は封筒を開け、中に入っていた写真を取り出した。

「……犬飼?」

挿絵(By みてみん)

そこには、男を殴り飛ばす犬飼の姿が写っていた。

「そう東金一派若頭 犬飼総司……

ウチの店で暴れたの今店は臨時休業中だけど従業員も数名入院中だし……

江田も今病院なんだよね………」

「なんで犬飼が?」

俺は写真を見たまま、エマに問いかけた。

「イエローダンプを潰した奴を捜してるって言ってたよ……

たぶん、仁ちゃん達のことを嗅ぎ回ってる」

「俺の事犬飼には話したか?」

「私と江田の店壊したクソ野郎に言うわけないでしょ……」

俺は写真に写る犬飼を見つめた。

イエローダンプを潰したことで、

無関係の人間まで巻き込んでしまった。

「……悪かったな、エマ」

「何言ってんの?

仁ちゃんが悪いわけじゃないでしょ」

「それでも、江田や従業員が怪我したのは事実だ」

Emmaは真っ直ぐな目で俺に言ってきた。

「そ〜だね……じゃあ責任取って

東金一派……潰してよ……」

挿絵(By みてみん)




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