第十二話
同日 警視庁前
俺達は学生共を連れ、
警視庁までやって来た。
入口付近にいた警官に
学生共を突き出す。
「こいつらホームレス殺しの犯人だ……
逮捕しろ」
そう言って学生共を引き渡し、
俺達はその場を後にしようとした。
その時だった。
「……なんだ?」
気が付けば、数人の警官が俺達を取り囲んでいた。
「動くなよお前達……
少し事情を聞かせてもらぞ」
俺は動かなかったが
津田は落ち着かない様子で
警官達を睨みながらこう言った。
「なんだよあんたら
俺達は犯人を連れて来たんだぞ」
すると
「やめとけお前ら」
低い声が響いた。
警官達が一斉に動きを止める。
俺達は声のした方へ目を向けた、
そこには一人の男が立っていた。
警視庁捜査一課
近藤学
「おい、この二人を連行しろ」
「……はい」
警官達は学生達を庁内へ連行した。
「おめェさん…斑目仁だな?」
「……あんたは?」
「俺かい、警視庁捜査一課の近藤だ。」
近藤はそう言って、
俺に名刺を差し出した。
「じゃあ俺らはこれで」
その場を立ち去ろうとする俺に近藤は
「待ちな……
あんまり派手に暴れるなよ斑目」
俺達は足を止めるが、
近藤は庁内に向かって歩き始めていた。
俺達もそれを見て再び歩き始めた。
庁内から一人の女性捜査官が出てくる。
「近藤さん…見つけましたよ。
書類溜まってるんで早く片付けてください……」
そう言いながら、
彼女は俺達の方を見る。
「…今の人って?」
警視庁捜査一課
白石穂乃香
「悪ぃね……白石君すぐ片付けるよ...」
近藤は俺達の背中に目を向けた。
「あぁ……今の男が斑目仁だよ」
白石は遠ざかっていく
俺達の背中を見つめた。
「あれが……斑目仁」
歓楽街を歩く俺達
「てかお前いつまでいるんだ?」
「えっ?あぁ……その……」
俺は津田に質問を投げかけた。
すると津田は、
うつむいたまま答えた。
「帰る場所……
なんてないっすよ……」
「あっそ……じゃあな」
津田が驚いた顔で俺を見る
「えっ?普通ここは何があったとか聞く所ですよ?」
「んなの知らねよ……
てかお前あのギャングにいたんだから
警視庁行って自首してこいよ」
「いやいや
俺はこの前入ったばっかりのペーペーですし、
このパーカーだって、
似たやつを古着屋で買っただけっすよ」
すると津田は着ていた黄色いパーカーを
その場に投げ捨てた。
「あっそ……じゃあ」
「だーかーら話聞いてくださいよ」
俺達はしばらく歩き、
リリーの前に着いた。
電気は付いていたので
入ろとすると津田が、
「ここが兄貴の仕事場っすか?」
「誰が兄貴だ……コラッ」
俺は津田の頭を軽く叩いた。
「お前いい加減帰れ」
「やだ!帰る場所なんてない!」
こんな騒ぎをしていると
出入口から
野沢さんが出てきた。
「おかえりなさいませ。斑目さん」
「おぉ…野沢さん、ども」
「そちらの御方は?」
すると俺の背後から顔を出す津田
「どうも、津田寛太って言います。
今日から兄貴の舎弟になりました
よろしくお願いします。」
「誰が兄貴だコラッ」
俺は寛太を軽く叩いた。
「アハハ…いやいや
ずいぶん個性的な方のようで
今日はもう遅いのでどうぞ中で休んでください
寛太君も良かったら中にお入りください。
おにぎりありますから」
「マジっすか?
ちょうど腹減ってたからお邪魔します」
寛太はすぐに事務所に入っていた。
「あっ……おい
フッ……
まぁいいか……」
俺も事務所に入った。
同日 路地裏
「……頭、お呼びで」
スーツ姿の男達が、一人の男へ近づいた。
「お前らを呼んだのは他でもない……」
「イエローダンプの件ですか?
……えっ?」
男達の足が止まる。
男の背後には、血塗れの死体が転がっていた。
「頭……そいつは?」
「あぁ……俺の事、
睨んだから殺した……
そんな事よりお前ら……
あんな芸当ができる奴、只者じゃねぇ……」
月明かりに照らされた男は犬飼だった。
犬飼はニヤッと笑い、
「親父に渡すな。
先に俺が遊ぶ…….
お前ら……
探せ」




