第43話「海外勢力、実力行使へ」
それは、予想通りだった。
だが――
想定より早かった。
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「現場から緊急連絡です」
一条朔也の声が走る。
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本邸の空気が一瞬で張り詰める。
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「内容は」
業真が問う。
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「御影第一採掘区画」
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一拍。
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「外部侵入の可能性」
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業高が立ち上がる。
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「規模は」
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「不明」
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短い。
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だが、それで十分だった。
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「黒瀬」
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「既に動いています」
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即答。
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その一言で、
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“裏”は始動している。
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御影資源開発・第一採掘区画。
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夜。
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静かだったはずの現場。
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だが――
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「……来てるな」
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黒瀬牙が低く呟く。
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視線の先。
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暗闇の中に、複数の影。
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動きが揃っている。
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一般人ではない。
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「数は?」
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「四から六」
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部下が答える。
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「装備あり」
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それで確定だった。
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実力行使。
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「目的は」
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「機材か、データか」
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一拍。
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「あるいは両方」
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黒瀬は迷わない。
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「止める」
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短い命令。
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音はない。
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だが、
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動きは速い。
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影と影が交差する。
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接触。
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一瞬。
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崩れる。
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侵入者の一人が無力化される。
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「……速いな」
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別の影が反応する。
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だが遅い。
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次。
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さらに一人。
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そして――
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動きが止まる。
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「撤退」
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小さな声。
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侵入者側の判断。
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無理だと悟った。
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だが、
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完全には逃がさない。
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「一人、確保」
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黒瀬の部下が言う。
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「十分だ」
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黒瀬は短く答える。
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本邸。
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「接触あり」
一条が報告する。
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「結果は」
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「侵入阻止」
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一拍。
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「一名確保」
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業高が息を吐く。
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「来たな」
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神崎が静かに言う。
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「完全に段階が変わりました」
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「どう見る」
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「警告ではありません」
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一拍。
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「確認です」
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「確認?」
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「どこまで入れるか」
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つまり――
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試された。
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業継が小さく呟く。
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「テストだね」
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『はい』
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アークが答える。
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防御力。
対応速度。
反応。
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すべて。
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「で?」
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業高が聞く。
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「通らなかった」
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一条が答える。
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「だから次は」
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一拍。
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「強く来ます」
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地下。
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拘束された侵入者。
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無言。
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だが、その目は冷静。
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「どこの人間だ」
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黒瀬が聞く。
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答えはない。
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当然だった。
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「まあいい」
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一拍。
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「わかってる」
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所属。
目的。
指示系統。
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すべて。
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“誰か”の手。
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「伝えろ」
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黒瀬が言う。
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「無駄だと」
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それだけだった。
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夜。
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業継は一人で座っていた。
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「やっぱり来たね」
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『はい』
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「もう止まれないよね」
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『はい』
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完全に変わった。
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圧力ではない。
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交渉でもない。
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奪取。
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「なんだか面倒だよ」
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『同意します』
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だが、
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業継は少しだけ笑った。
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「でもさ」
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一拍。
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「わかりやすくなったよ」
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『どういう意味ですか』
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「敵だなって」
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シンプルだった。
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これまでは曖昧だった。
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利用。
交渉。
圧力。
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だが今は違う。
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明確な敵対。
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「じゃあやることも決まってる」
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『はい』
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守る。
返す。
止める。
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それだけ。
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本邸。
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「国家側も動いています」
一条が言う。
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「どこまでだ」
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「表には出ていません」
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一拍。
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「ですが、確実に“後ろ”にいます」
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業真が頷く。
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「十分だ」
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それでいい。
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前には九条家。
後ろには国家。
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その構図が、
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今、完成した。
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御影資源開発は、
ついに“守る対象”から、
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守り抜くべき中核へ変わった。
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そして、
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九条業継は、
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その中心に立っている。
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まだ五歳。
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だが、
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その周囲では、
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国家と世界が、
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正面からぶつかり始めていた。
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もう、戻らない。
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ここから先は――
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完全な衝突だ。




