リーゼロッテ~覚醒、聖女の力~
笑顔で、無邪気に自己紹介をするリーゼロッテに、
「記憶の改ざんのせいとは言え…、
名前を間違えて呼んでたなんて…。
ごめんな。リーゼロッテ…。」
「ほんとにごめん…。」
仲間たちが、何とも申し訳なさそうに話す。
その仲間たちの謝罪の言葉を聞いて、
「悪いのは…、
記憶の改ざんをした人なので、
気にしないでくださいね!」
そう伝えてから、突然、自分の体に異変が起きている事に気付くリーゼ。
何が起きているのかと、不安で自分の体を抱え、
「何?何が起きてるの?
この力は…?」
呟く。
その様子を目の前にしている莉月と響夜が、何事か?と動揺しながら尋ねる。
「どうしたの?大丈夫?」
「大丈夫か?リーゼ。」
リーゼは顔を上げて、うんと頷き、次の瞬間、この体の変化を理解する。
リーゼは、自らの名前を思い出し、皆に改めて、その名を認識してもらった事で、急激な回復を見せたのだった。
そして、皆を安心させるために伝える。
「私はもう…、大丈夫みたい…です。
リーゼロッテの名を自覚し、
皆さんにも認識していただいたことで、
力に目覚めたようです。
だからもう、大丈夫…。」
「聖女の力…ね?」
莉月が尋ねると、リーゼは頷いて、
「莉亞さん、私をナータンの、
朔の元にお願いします。」
莉亞に転移を要請する。
リーゼは、長時間伏していた事で、元々華奢な体が、さらに細くなってしまったものの、纏うオーラは以前のそれと比較できないくらいに強力に、そして、その秘めた力は、予測不可能のものになっていた。
そして、誰もがその体から放たれる空気から、これぞ聖女の持つオーラだ…と、心層で感じる。
だが、いくら潜在能力が高くなったとは言え、そんな彼女の責任感の強さが、自分を苦しめてしまうのでは…と危うさを感じた私は、リーゼに声をかける。
「リーゼ。
あなたの気持ちは、十二分にわかる。
でも、気負い過ぎないで…。
ここには、こんなにたくさんの、
心温かい仲間がいる。
あなた一人で、
その責任を背負おうなんて、
そんな馬鹿な事は…考えないで…。
最強の私たちが、ついてるんだから…、
ね!」
私は、心からの思いを伝える。
「ありがとう、莉羽。
そうですね…、みんながいる…。
………。
その心、しっかりと受け取りました。
じゃあ…、
サポートは…、お願いします、ね。」
そう言って、あどけなさだけでなく、頼もしさをも感じる笑顔を見せるリーゼロッテ。
リーゼのその言葉を聞いた凱は頷くと、その言葉の前にはすでに考えていた、配置の指示を伝える。
「リーゼの援護は、サイファに…。
リーゼと連携とって、戦って。
フィンは、様子見て、
必要ならその援護を…。
朔の奴、多分かなりの力、
つけてるはずだから…、
さらに応援が必要なら、
その都度言ってくれ。」
サイファは頷き、自分の中のザラードの力を確信して、リーゼと共にナータンに向かう。




