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審判の実  作者: 葉月 涼
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 ロビー様に信用しきれていないからと言われ何故かと聞いて後悔した。


『だって君は僕に隠し事してるでしょ?』


 私が生まれ変わる時に未来を見た事に気が付いているのかと動揺し、あからさまに顔に出た事を理由に戦闘や地区の担当はさせられないと言われた。


 そしてこの出来事の全てが私の知る未来では起こっていない事が私を更に動揺させた。


 この方は、ロビー様はこの世の理から外れた存在へと変容してしまったのだろうか。


 この先何が有ろうとも私では如何する事も出来ないのかもしれない―――


*


*


*


「北東から北西までは敵対勢力になっちゃうか・・・・・」


 黒狼さんからの報告を白竜さんから聞いて溜息を吐いた。


「黒狼からの報告では壁の上から見かけた者に声を掛けた所、問答無用で魔法を放ってきたそうです」


「反撃はしてないんだよね?」


「はい。現状北部では兵士と思われる者以外との接触はないそうです」


「ん~・・・・・多分だけど国同士で連携してそうだよね。準備出来次第大攻勢を仕掛けるつもりなのかな?」


 これってグランバート教がかかわってる気がするんだよなぁ。


「だとしても報告通りの戦闘力なら壁の破壊所か超える事すら不可能だと思います」


「気にはなるけど取り敢えず北部は現状維持で。東と西の方は如何?」


「声かけは何度かしたそうですが、返答は無しだそうです」

「東西全域で服装の違った者にとの事なので兵ではないようですな」


「そっか・・・出来れば支援してあげたいけど無理に接触はしないようにね」


「はい、そのように」


 東西の報告は赤竜さんと白竜さんの両方から受けたが相手からの返答がない時点で此方から声かけ以外に手を出すのは拙いと言う事で様子見となった。


「只今帰りましたロビー殿」


 如何した者かと頭を捻っていたら休日のため帰って来た緑虎さんが挨拶に来た。

 各部隊ごとに一体ずつ交代でお休みを取るようにと決めたんだ。そうすればその時に報告も出来るしね。


「お、緑虎さんお帰り・・・その鞄は如何したの?」


「クライブ殿が書簡を届けるには必要でしょうと用意して下さいました」


 緑虎さんは首から鞄を下げていて、如何したのかと聞いたらクライブさんが用意してくれたのだと言う。


「ほんと彼は気が利くなぁ。僕が助かりますと言っていたって伝えて貰える?」


「はい、確かに。それで書簡の方ですが、例の男の手配書だそうです」


「おっ、どれどれ~・・・お~、よく似てるね。赤竜さん、白竜さん、これを皆に覚えて貰って見つけたらここに連れて来るように伝えて」


 鞄を開けて中から出した手配書は俺の知るウォルタードそのものだった。


「「えっ!?」」


 俺の前にウォルタードを連れて来て欲しいと伝えると皆が驚きの声を上げた。驚くような事かな?


「必ず生かして連れて来る事・・・僕はね、こいつだけは自分の手でこの世から消し去らないと気が済まないんだ」


「「はい!了解しました!!」」


 ウォルタードだけはこの俺の手でと言うと皆が背筋を伸ばして返事をした。あ、もしかして魔力漏れちゃったかな?


「あ、ごめんごめん、こいつだけは何が有っても許せないからちょっと気が昂っちゃったよ・・・多分、なんだけど、こいつは北に居ると思う・・・・・だから発見したら黒狼さんと白竜さん以外は手を出さないで欲しい。相当な実力差が無いと殺さずに捕らえるとか無理でしょ?何ならここまで道案内する位でいいから」


 北側が連携していてそれにグランバート教がかかわっているならおそらく奴が居る。

 話をしてみたいと言うのもあるけど、先ずは奴の不老不死が如何言う物なのかを見極めたいと言うのが一番の理由だ。


 迂闊に殺してしまって何処かで復活されて逃げられてしまう可能性が有る。


 まぁなんだ・・・楽に死なせる訳にはいかねぇんだよ、あいつだけはな。


 俺の〝家族〟を二度も殺したんだ、それ相応に苦しんで貰わねぇと不公平ってもんだろ?なぁ、ウォルタードさんよぉ。


*


*


*


「では、復興が一段落次第正式に国名をグランバート帝国からグランバート王国へと変更し同時に年号もグランバート王国歴へと変更。そして北方四村とその周辺をクライブ・バルトレン伯爵を辺境伯として領主に、現副団長のケイン・サンティスを騎士団長に据え騎士団を再編後に伯爵位を与えると言う事で宜しいか」


「「「「「異議なし」」」」」


「では国民への告知等を頼む・・・我がグランバート家が犯した罪は許されるものではないが、皆にはこれからも国のため、民のために我に力を貸してくれると嬉しい」


「陛下・・・我々に陛下を罪に問う事は出来ませぬ」

「そうですぞ、当事者が許したのです、気に病む事は御座いません」

「ロビー殿は陛下にこの国を託されたのではありませんか?少なくとも私はそう感じました」


 近衛達の助力も有って大臣達からの信任も得られて一安心と安堵の息を吐いた。


「後はロビー殿とその眷属?部下?まぁ彼等にどの様に恩を返すかなのだが・・・・・」


「そうですなぁ・・・・・」

「金銭や地位など要らぬでしょうし、食料はこちらに支援する程余裕がありますしな」

「彼等も恩を売っているつもりすらないかもしれませんし・・・・・」


 我々とは異なっているであろう常識や価値観を持つ彼等にとって何をすればよいのか解らずに皆で頭を悩ませた。


「・・・仕方ない、クライブに聞いて貰うとしよう」


「そうですな」

「我等にも出来る事が有るといいですなぁ」


 クライブには負担をかける事になるが、彼以上に彼等と良い関係を築けている者が居ない以上彼に頼るしかないと会議を閉めた。


 せめて領主館は王家の資産で建てる事にしようと、有名な建築士を頭の中に思い浮かべた。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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