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レジェンド8
実は、その要注意箇所は一箇所ではなく、数カ所あった。
そんなコースで大会を成立させられたのは、他でもない、運営メンバーはもちろん、参加してくれた一人残らず全ての参加者のおかげだった。
それはそうだ。大会のわずか一ヶ月ちょっと前から募集を始め、一ヶ月弱という短さで、得体の知れない、しかも100マイルの大会に挑もうという——未知に挑戦する心と、それを恐れない勇気、人間力を持った人たちが集まった。だからこそ、この大会は何とか持ったのだ。
普通、大会というのは、主催者がコースという舞台を用意し、参加者はお客様、という形だろう。でも今回は、まったく違った。参加者一人ひとりの人間力、経験、対応力に助けられた。完全に、一緒に大会を作り上げたメインキャストだった。
だからこそ、ゴールしてきた選手を、本当に一人ひとり、心からハグするように迎え入れた。帰ってきてくれて、ありがとう。大会のMCをしながら、四十時間以上、不眠不休で、全ての選手を迎えた。僕にできることは、それぐらいだった。
あのとんでもないコースで一時中断となり、多くの選手は全区間を走ることはなかった。けれど、中断より前に、あの危険箇所を突破していた完走者が、八人だけいた。僕はその選手たちを「レジェンド8」と呼んで、心から称賛した。




