表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
87/89

起こるべくして起こった

 事件は、起こるべくして起こった。

 そう、僕が設定した、とんでもないコース。当初から気になっている場所があった。雨が降り、夜間に通過すれば、一つ間違えれば即、滑落し、大事故につながる——そんな場所だ。そこをコースにすること自体、そもそも間違っている。だが当初の僕は、その認識すら甘かった。それは経験のない僕が犯したミスであり、同時に、その失敗から多くを学ぶことにもなった。(実際、その場所は翌年にはコースから外して大会を続けていくことになるのだが、その話はまた後にしよう。)

 金曜日の夜、雨風が強くなってきた。もう僕の頭の中には、あの場所の状況が明確にイメージできていた。このままレースを続行したら、本当に大変なことになる。そう考えざるを得なかった。

 普段の僕は、基本的にアクセルしかない男だ。ブレーキ役は、いつも妻の松永かな子さん。僕はどちらかというと楽天的で、ピーターパンのように、できない理由をあまり考えず、どうすればできるかを考えるタイプの人間だ。やらない理由を探すことは、まずしない。そんな僕が、これは絶対にやばい、中断すべきだと思ったのだ。どれほどそのコースが危険だったか、想像していただけるだろう。

 そこで支えとなってくれたのが、例の経験豊富な運営メンバーだった。この大会を何とか成立させるために、緊急会議を行う。そして、危険箇所を通過する前に一度レースを中断し、その区間を過ぎたところまで全ての選手を運んで、再スタートさせる——その決断をすることができた。

 これも、運営メンバーの優しさと、心の大きさがあったからだと思う。僕が作ったコースがとんでもないことは、みんな分かっていて、それでも何とかしてあげたいと思ってくれた。そう信じたい。僕のわがままを、聞いてくれたのだ。

 このおかげで、多くの選手が、一時中断の後、またゴールへ戻ってきてくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ