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小千谷生活

みんな捉え方が違う。少なくとも僕にとって、あの愛知県名古屋市近郊は大都会だった。


その空気、土、空、水、雰囲気すべてに適応できなかった。人間社会に適応できない、社会人失格。正直、失格でもいいとも思った。


社長は自己実現の為に会社を設立、社員はそのために働く。僕の人生は、社長の自己実現の為にあるのではなく、僕の自己実現の為にあるんだ。


会社で人の代わりはいくらでもいる。誰かが辞めたら他の人を入れればいい。そんな代わりの効く存在で一生終わるのか。人生は一度切り。今この瞬間は帰らない。若さは財産だ。


できるだけ早く、事業を興し独立する。2回目のハセツネを走り、その意志は固まってきたが、何をして生きていけばいいのか・・・


小千谷市では、小さな1軒家を借りた。小千谷は小さな千の谷と書く。字のごとく、谷が多く、山も多い。トレイルランニングをするには最高の環境。


愛知県では、毎週末、自然を求めて、片道1時間半前ほどかけて自転車で山に通った。週に1回、唯一自分らしくいられる時間。そう、あの浪人時代と一緒だった。3-4時間、山を走り回ることにより英気を養い、平日は、笑顔なく乗り切る生活だった。


それに比べれば、小千谷は天国。走って10分で山。毎日通うことができる。


この環境で、来年のハセツネに向けて、


”もっとよい準備(優勝)をしよう”


葉が落ち見通しが効く晩秋の静かな森。一人で走りながら、心にそう決めた。

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