かな子との自転車旅
そうこうしているうちに夏が近づいてきた。かな子と出会い3年目。
毎年夏が終わると僕は自転車旅での出来事を話していた。看護師をしていた彼女。いつも忙しそうにしている。日勤夜勤の繰り返し。体内時計は狂いまくりで大変そうだ。僕は、
”誰も頼んでない、辞めたかったら辞めれば”
なんて無責任な言葉を掛ける。ある日、
”自転車旅に行きたい!”
驚いたが、どうやらそれをきっかけに看護師を辞めるらしい。ちょうど僕も卒業を迎える。卒業の前に結婚式を挙げれば学生の友達みんなに祝ってもらえる。大学ホールを借りてパーティーを企画。彼女はどこからか、結婚式のモデルを探してきて、それに家族を呼んで結婚式をしようと言った。
8月はハネムーン第一弾。静岡から屋久島経由宮古島への自転車旅。これまで旅で出会った友人宅にも泊めてもらいながら、南へ。初日は静岡から名古屋150㎞超。この旅の為に、約3ヵ月、毎週末、長岡八方台に登り、栃尾の杜々森名水百選、蓬平温泉を経由するアップダウンのある100キロ程度の練習を重ねてきた。しかし、この初日から朝6時出発、到着夜9時というスパルタなスタートにかな子は音を上げる。名古屋で早速、グローブやサドルを購入した。途中京都から神戸まで4時間、出発20分前に到着し、僕らが乗り込むと同時にフェリーが汽笛をあげて出発という滑り込みも経験した。屋久島ではかな子が大好きな海へこれから行くというときに転倒して病院送りにもなった。幸い、宮古島の海につく頃には回復し沖縄の海は満喫できた。
10月はハネムーン第二弾、ニュージーランド自転車旅。オークランドからクライストチャーチ。また登るなら下らなければいいのにと思うほどに果てしなく続くアップダウンの続く道。巨大トラックの風圧で宙を舞うような感覚を体験。3階建てビルぐらいの高さのダチョウとにらめっこをし、デザートロード(砂漠の道)では丸一日町が無い区間をトンガリロと呼ばれる雪山を横目に越えた。途中で2回、道端で出会った人に泊めてもらった。1人は牧場をしていてとっても心優しい家族。すごい勢いで迫ってくる羊に
”こいつらはとても人懐っこいんだ”
鶏を飼い、毎朝卵を拾い、羊の毛を刈り、野菜を育て・・・ニュージーランドの古くから伝わる羊や自然からの恵みの上で生きる生活スタイルを体験。バックパッカーという旅宿で同じになったノルウェーカップルに採れたてのエビを貰ってバーベキューをしたり、豊富なムール貝を海で拾って料理したり、人伝いでWWOOFを知り、畜産家にホームステイし羊牧場体験もした。




