人生の残り時間計算
大学院はたった2年。もうそろそろ周りは就職活動をしている。僕はというと、会社員としてスーツを着て、ネクタイを締めた自分は、0%、全く想像不可能。ありえない。これまでの自転車旅やカナダでのスキーで知り合った友人を通じ、海外の実情(毎年家族で1か月のホリデーが当たり前、3ヵ月休んでも会社に復帰できる)を知った。日本の会社は、地獄で、人生を棒に振るようなものだと気づいていた。
何のために生きるのか。残りの人生を計算した。日本で仕事の時間は朝8時頃から夜10~11時まで。一日はたった24時間で、仕事が14-5時間、睡眠6時間として、残りはたった3時間。これを定年退職30年?続けて、その後一体何歳まで生きれるのか?寝る時間を除いたら、人生の8割が仕事で終わってしまう・・・もし人生の8割を占める仕事が嫌いなこと、興味がないこと、つまらないことだったら本当に地獄だ。人生は仕事の為だけなのか、家族は?好きなことをする時間は?この人生は一体何のため?心底真剣に考えた。
そんな大学院1年の冬。12月末から2月末までは神立高原スキー場でスキーのインストラクター。3月はカナダに渡り、カナダのスキーインストラクターライセンスを取得した。
日本に戻り、いよいよ学生生活最後の春、大学院2年となった。僕は自分の人生を生きる、自分が好きなことをして生きていく!そう決めた。
ただ、何をしてお金を稼げばいいのかわからない。そこで留学をして、人間らしく生きていける海外の会社に入ろうと思った。英語勉強の鬼を続けていた僕は、英会話だけでなく、留学に必要な資格であるTOEICやTOEFLのテストを受けはじめる。旅でコミュニケーションをとるための英会話の勉強。ここで目標が変わり留学の為のテスト勉強になった。しかし、大学受験勉強とは違う。当時は両親が決めた医者という夢を目標に、半ばやらされていた勉強。今度は、自分で決めた未来のため。やる気が違う。テストの点は着実に伸び、TOEICは750点を突破した。大学1年のころは350点ほどだった僕は別人になった。
海外大学院留学に必要だったTOEFLは東京・大阪など大都市のみ、受験ができた。最初は程遠かったスコアも勉強を重ね、5回目にして目標突破。
大学受験勉強の時、英語は大嫌いだった。点数は伸びず足を引っ張っていた。そんな僕でも自分で決めた目標は、努力できるし、達成できると知った。
こうして海外留学の道が開けた。ここでよく考えた。僕は、勉強が好きか、研究が好きか、もっと勉強がしたいのか?と。答えはNO。正直、研究は大嫌い。全く興味がない。学生を続けていた理由は、勉強や研究がしたかったのではなく、旅やスキーの時間が欲しかったから。こんな自分が留学をして、果たして卒業できるのか。日本語であれば、ごまかしてなんとかやっていけても、英語となるとそうはいかない。しかも、入学より卒業が大変だと聞く。
留学はやめよう。
次の選択肢は海外駐在員として日本の会社に入り、現地の会社へ転職。普通、大学院1・2年生は新卒の就職情報を探すがそれでは入社後、どんな部署で何をさせられるかわからない。そこで、転職情報で海外駐在員を募集している会社を見つけ就職試験を受けた。合格。この会社は、イタリアに送ってくれるらしい。これでイタリアの会社に転職しよう。新卒扱いではない僕は、こちらの都合で入社日をい4月10日にしてもらった。学生生活最後の冬を目一杯、北海道でスキーに費やすためだ。




