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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第97話 怒りの矛先

ディオンに匿われて数日。


レイ達は大広間に集まっていた。


机の中央には能力ランキング表が置かれていた。


ディオンが口を開く。


「現状は大荒れだ」


全員が真剣な顔になる。


ディオンは表を指でなぞる。


「第100位から第90位までは全滅」


重い空気。


ディオンは続ける。


「第8位の国には」


「第89位」


「第77位」


「第58位」


「第53位」


「第50位」


「が亡命した」


さらに。


「第7位の元には」


「第83位」


「第80位」


「第76位」


「第64位」


「第59位」


「第56位」


「が亡命している」


レイが顔を上げる。


嫌な予感がした。


「待って」


「第81位のミントが危ないんじゃない?」


ミントも固まる。


確かに。


順位だけ見れば自分は危険だ。


だが。


ディオンは首を振った。


「いや」


「それはない」


レイ達が見る。


ディオンは冷静だった。


「奴らは集団を狙わない」


「しかも今は第19位クロエもいる」


クロエを見る。


そして。


「俺達もいる」


静かな声。


だが説得力があった。


ミントが胸を撫で下ろす。


レイも少し安心した。


ディオンは続ける。


「そして最近」


「敵の名前と能力が割れた」


クロエが腕を組む。


「偽ディバイドね」


ディオンが説明する。


「偽ディバイドだと知っているのは」


「クロエから直接聞いた俺達だけだ」


「世間は違う」


そう言って一枚の紙を机に置く。


指名手配書。


そこには。


---


指名手配


第4位 アストラ


第9位 モルド


第19位 クロエ


第40位 ヴァイス


アベル


ポール


ネロ


※殺した場合、三代まで一生困らない富を与える


---


クロエが苦笑した。


「ディバイドとして数えられているのね」


ディオンが頷く。


「だが悪いことばかりじゃない」


「これで奴らも身動きが取りにくくなった」


「しばらく経てば」


「騒ぎも少しは落ち着くだろう」


クロエは指名手配書を見る。


そして。


小さく呟いた。


「ヴァイン……」


沈黙。


名前がない。


それが意味することは一つだった。


死んだ。


クロエは目を閉じる。


部下。


仲間。


思い出が脳裏を過ぎる。


そして。


自然と別の人物を思い浮かべた。


アス姉。


大丈夫かな。


クロエは静かに拳を握った。











その頃。


アストラは再び命を狙われていた。


森の中。


一本の木の上。


アストラは寝転がっている。


気持ちよさそうに。


ぐっすりと。


その下には。


一人の男。


能力ランキング第46位。


ボーン。


能力『骨刃形成』


身体中の骨を自在に変形させる能力。


刃。


盾。


鎧。


攻防一体の能力だった。


ボーンは木を見上げる。


笑う。


「見つけたぞ」


指名手配犯。


第4位。


アストラ。


賞金は莫大。


人生が変わる。


しかも。


第4位を殺したとなれば。


最上位になれるかもしれない。


ボーンはゆっくり木を登った。


気配を消す。


慎重に。


慎重に。


そして。


アストラの背後へ到達した。


右腕から骨の刃が伸びる。


鋭い。


まるで剣だった。


ボーンが叫ぶ。


「死ね!!」


骨刃が振り下ろされる。


だが。


空振り。


「え?」


アストラがいない。


その瞬間。


背後から声。


「寝てませーん☆」


ボーンが振り向く。


そこには。


笑顔のアストラ。


レイピアを構えていた。


「なっ!?」


速い。


見えなかった。


アストラが突く。


一直線。


首。


だが。


ガキィン!!


首から骨が飛び出す。


盾。


ボーンが笑う。


「どうだ!!」


「これが俺の……」


その時だった。


身体が止まる。


「……あれ?」


骨が消える。


能力が解除される。


ボーンの顔が青ざめた。


アストラが首を傾げる。


「良い能力だったねー」


次の瞬間。


ブシュッ。


レイピアが首を貫く。


「がっ……」


さらに。


ブシュッ。


ブシュッ。


ブシュッ。


何度も。


何度も。


何度も。


アストラは突いた。


そして。


ボーンは動かなくなった。


能力ランキング第46位。


ボーン。


死亡。


アストラは息を吐く。


「そろそろー」


「危機感のないお馬鹿さん達もー」


「全滅したかなー?」


そう言って、死体を漁る。


紙を見つけた。


指名手配書だった。


アストラは眺める。


そして。


ある名前が消えていることに気付く。


「ヴァイン死んじゃったかー」


沈黙。


数秒。


アストラは何も言わなかった。


笑顔もない。


そして。


ゆっくりと顔を上げる。


「アベル」


「ポール」


「ネロ」


静かな声。


だが。


怒りが滲んでいた。


「絶対に許さない」


その瞬間。


空気が震える。


森の鳥達が一斉に飛び立つ。


第4位。


アストラ。


本気で怒っていた。


アストラはレイピアを握る。


そして。


森の外へ歩き出した。


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