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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第95話 超電圧

とある発電所。


巨大な施設。


無数の鉄塔。


張り巡らされた電線。


そこに。


二人の男がいた。


能力ランキング第71位。


テオ。


能力『電圧』


能力ランキング第75位。


ダッシュ。


能力『直線加速』


二人は発電所の屋上から景色を見ていた。


すでに知っている。


第74位マイトが死んだことを。


第73位と第72位はすでに死んでいる。


次は自分達だ。


理解していた。


だからこそ。


準備していた。


テオが口を開く。


「いよいよ俺たちだな」


ダッシュが笑う。


「大丈夫さ」


「うまくいく」


テオも笑う。


そして。


二人は拳を合わせた。


ゴツン。


短い音。


それだけで十分だった。


「配置につくぞ」


「ああ」


二人は別方向へ走る。


グリッチを迎え撃つために。











テオの前。


ブワァン


空間が裂ける。


発電所の中央。


そこへ。


グリッチが現れた。


モルド。


アベル。


ネロ。


ポール。


モルドが辺りを見回す。


「さて」


不敵に笑う。


「次のバカはこいつか?」


彼らにとって。


第7位や第8位の元へ逃げないランキング者は。


ただの愚か者だった。


その時。


ポールが前へ出る。


巨大な拳を鳴らした。


「すぐに終わらせてやるぜ!!」


両拳を合わせる。


爆撃の構え。


だが。


その瞬間だった。


「俺はな」


テオが突然話始める。


アベル達が視線を向ける。


「上位になる気がなかった」


モルドが眉をひそめる。


テオは続けた。


「順位なんてどうでもいい」


「ただ自由ならそれでよかった」


発電所の風が吹く。


髪が揺れる。


「第71位ぐらいが」


「一番心地よかった」


アベルの額を汗が流れる。


違和感。


説明できない不気味さ。


なんだこいつは。


テオがゆっくり顔を上げる。


その目には怒りがあった。


「でもな」


静かな声。


「お前達のせいで」


「自由が恐怖に変わった」


空気が変わる。


モルドの本能が叫ぶ。


危険。


目の前の男は危険だ。


モルドが叫んだ。


「こいつやばい!!」


ナイフを投げる。


ヒュン!!


だが。


バチッ。


ナイフが弾かれた。


青白い電流。


テオの周囲を覆っている。


テオは止まらない。


「お前達は許さない」


怒りが滲む。


「俺に手を出したことを」


発電所全体が震える。


「後悔させてやる!!」


その瞬間だった。


ゴオオオオオオオオオ!!


発電所が唸る。


機械が震える。


電線が光る。


無数の電流。


無数のエネルギー。


それら全てが。


テオへ向かっていた。


ポールが叫ぶ。


「アベル、なんだこれは!?」


アベルが焦りながら答える。


「分からん!?」


ネロが震えながら答えた。


「彼は第71位だろ!?」


「能力は『電圧』!!」


そう。


『電圧』


電気を放つ能力。


危険ではある。


だが。


本来はその程度。


出力は八百ボルト。


電気ウナギ程度。


ランキング上位から見れば脅威ではない。


だが。


今は違った。


発電所。


約五十万ボルト。


その膨大な電力を。


テオは吸収していた。


身体が発光する。


髪が逆立つ。


周囲に雷が走る。


もはや別人だった。


アベルの顔色が変わる。


「ポール、ネロ、モルド、避難しろ!!」


即座に叫ぶ。


ブワァン


空間の裂け目を出す。


ポールが反応する。


ネロも飛び退く。


二人は迷わない。


だが。


モルドだけが遅れた。


『無傷』による。


危機感の差。


仲間への信頼の差。


その一瞬。


テオは両手を前へ向けた。


雷が収束する。


空気が震える。


地面が砕ける。


そして。


テオが言った。


「電磁砲!!」


白い球体。


雷を纏った塊。


それが放たれる。


次の瞬間。


ドゴォォォォォォォォォン!!!!


世界が揺れた。


轟音。


衝撃。


閃光。


テオの正面。


そこに存在していたものが。


全て消し飛んだ。


建物。


鉄塔。


地面。


空気すら抉り取る。


破壊の一撃。


アベル達の姿は。


煙の向こうへ消えた。


静寂。


そして。


発電所の中央に。


雷を纏う男が立っていた。


能力ランキング第71位。


テオ。


能力『電圧』



能力『超電圧』


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