表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/50

第九話 妹

レイはペーパーを見た。


そして静かに言う。


「反乱はやめたほうがいい」


その瞬間。


空気が凍った。


反乱軍全員がレイを睨む。


「なんだと?」


ペーパーの目が鋭くなる。


「どういう意味だ」


レイは落ち着いたまま答えた。


「私はランキング上位者に会ったことがある」


「ランキングは22位」


「だから分かる」


「51位もきっと怪物」


周囲がざわつく。


51位。


能力ランキング中位。


それがどれほどの存在なのか。


この場の誰も知らない。


だが。


レイだけは知っていた。


マッドが驚いた顔をする。


「レイさん」


「そのランキング者って……」


少し躊躇う。


そして聞いた。


「まさか」


「黒炎のブラッドですか?」


レイは頷く。


一瞬で空気が変わった。


ブラッド。


能力ランキング22位。


その名は隣の国にも知れ渡っていた。


周囲から動揺の声が上がる。


「22位だと……?」


「そんな奴を見たことがあるのか?」


「嘘だろ……」


だが。


ペーパーが大声を上げた。


「怯むな!!」


全員が黙る。


「無理だろうが何だろうがやるつもりだっただろ!!」


怒鳴る。


しかし。


その声の奥に。


不安が滲んでいた。


レイには分かった。


ペーパー自身も怖いのだ。


51位が。


73位が。


それでも止まれないだけだ。


レイはペーパーを見る。


「そんなに急ぐ必要があるの?」


ペーパーは黙った。


しばらく沈黙する。


そして。


小さく呟いた。


「俺の妹が捕まった」


周囲も静かになる。


「王に捕まったんだ」


ペーパーは拳を握り締める。


「元々」


「反乱の準備は進めていた」


「俺と妹を中心にな」


悔しそうに続ける。


「武器を運んでいる最中に見つかった」


「兵士に囲まれた」


「逃げられなかった」


レイは黙って聞く。


ペーパーは俯いた。


「妹は近々公開処刑される」


誰も何も言えなかった。


反乱軍の者たちも。


ただ下を向く。


レイは状況を整理する。


「つまり」


「反乱因子は全員死刑になるのね」


ペーパーが頷く。


「そうだ」


声が震える。


「妹が殺される」


そして顔を上げた。


「だから」


「その前にやる」


レイは目を閉じた。


母が燃える光景。


補償金の袋。


何も変わらない世界。


また同じことが起きる。


また弱い者が踏み潰される。


また能力ランキングが罪を守る。


また誰も裁かれない。


レイは拳を握った。


私は。


どうする。


マッドが不安そうに見つめる。


「レイさん……?」


レイは目を開いた。


そして言う。


「私達も乗るわ」


全員が固まる。


「おい」


ペーパーが驚く。


「さっきやめろって言ったじゃねぇか」


レイは頷いた。


「そうね」


「でも」


少しだけ笑う。


「聞いちゃった以上」


「やるわ」


その言葉に。


ペーパーは目を見開いた。


レイは続ける。


「能力ランキングを利用する奴らを許さない」


マッドが嬉しそうに笑った。


ペーパーも小さく笑う。


だが。


この場にいる誰一人として知らなかった。


能力ランキング51位。


その意味を。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ