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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第54話 平和な国

レイたちは歩いていた。


最上位の連中を殺す。


そのためには。


圧倒的な実力が必要だった。


今のままでは足りない。


あの怪物たちには到底届かない。


だが、自分たちはこれまで。


多くの国を訪れて強くなった。


だから進む。


その時だった。


「あれ?」


フォーサが前を指差す。


視線の先。


新たな国が見えていた。


だが。


「なんだか国っぽくないですね」


マッドが首を傾げる。


その言葉通りだった。


普通の国なら。


城壁がある。


兵士がいる。


門がある。


そして中心には城がある。


それが当たり前だった。


しかし。


目の前の国は違う。


誰でも入れる。


兵士もいない。


城も見当たらない。


国というより。


巨大な村だった。


不思議な場所。


どこか不穏。


だが。


「みんな、行こう」


レイが言う。


四人は頷いた。


ここで。


仲間が一人減ることも知らずに。











国へ入る。


そこには活気があった。


人々が笑っている。


子供が走り回る。


商人が声を張る。


老人たちが談笑している。


誰も武器を持っていない。


誰も怯えていない。


平和だった。


あまりにも。


「この時代に」


ペーパーが周囲を見渡す。


「なんて平和なんだ」


レイも周囲を見る。


平和。


その言葉で思い出した。


自分の故郷。


あの国も平和だった。


だが。


それは。


第7位カイと。


第22位ブラッドがいたから。


圧倒的な力で守られていたから。


この国も。


そうなのだろうか。


その時だった。


「あの……」


女性の声。


全員が振り向く。


そこには。


一人の女性が立っていた。


可憐な女性だった。


年齢は二十代後半。


柔らかい雰囲気。


優しそうな笑顔。


そして。


女性は驚いたように言う。


「ペーパー様……?」


ペーパーが固まる。


「……ミレア?」


女性の顔が輝く。


「はい!」


「ペーパー様!!」


勢いよく頭を下げる。


「十五年前に助けていただいたミレアです!!」


レイたちは顔を見合わせた。


予想外だった。


ペーパーの知り合い。


しかも。


かなり昔の。











ミレアに案内され。


一行は食堂へ向かう。


食堂の中も賑やかだった。


人々が笑う。


酒を飲む。


料理を食べる。


誰も怯えていない。


戦争の匂いがしなかった。


ミレアが嬉しそうに言う。


「まさかこんなところで会えるなんて……」


本当に嬉しそうだった。


マッドが尋ねる。


「あの」


「お二人はどういう関係なんですか?」


ミレアは頷く。


そして語り始めた。


「十五年前です」


少し遠くを見る。


「私がまだ十二歳の頃」


「家族と一緒に旅をしていました」


笑顔が消える。


「その時」


「野盗に襲われたんです」


レイたちが黙る。


「私たちは、もうダメだと思いました」


「でも」


ミレアはペーパーを見る。


「ペーパー様が助けてくださったんです」


全員がペーパーを見る。


ペーパーは頭を掻いた。


「まぁ」


「そんなこともあったな」


照れ臭そうだった。


レイは少し笑う。


ペーパーらしい。


昔から。


こういう人だったのだろう。


すると。


ミレアが思い出したように言った。


「そういえば」


笑顔になる。


「妹様はお元気ですか?」


空気が止まる。


レイ。


マッド。


フォーサが固まった。


ミレアだけが気付いていない。


静寂。


そして。


ペーパーが答えた。


「妹は死んだよ」


ミレアの顔色が変わる。


「え……」


口元を押さえる。


「ご、ごめんなさい!」


「私……!」


慌てる。


だが。


ペーパーは首を振った。


「いや」


「いいんだ」


少し笑う。


そして。


静かに言った。


「むしろ」


「お前の家族を助けきれなかったことの方が」


「謝りたかった」


ミレアが目を見開く。


ペーパーは頭を下げた。


「悪かった」


ミレアが慌てて立ち上がる。


「やめてください!」


「そんなこと!」


涙を浮かべる。


「私の命は」


「ペーパー様がいたから残ったんです!」


強い声だった。


「だから」


「この国にいる間は頼ってください」


「私にできることなら何でもします」


ペーパーは少し驚いた顔をした。


そして。


笑った。


「助かるよ」


穏やかな笑顔だった。


頼りになる。


そう思った。


だが。


レイは気付いていなかった。


この国へ入ってからずっと。


ミントの顔色が悪いことに。

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