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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第53話 跡地

空中都市が落ちた後。


そこには何も残っていなかった。


建物。


道路。


城。


人。


全て消えている。


まるで最初から存在しなかったかのように。


巨大なクレーターだけが残されていた。


さらに。


空中都市の残骸が消える。


異形たちもいない。


全て消えている。


恐らく。


クロノが能力を解除したのだろう。


静寂だけが広がる。


その時だった。


ボコボコ。


地面が盛り上がる。


土が揺れる。


そして。


ボコン。


土が吹き飛んだ。


中から一人の男が現れる。


能力ランキング第6位。


ネメシス。


全身土まみれだった。


だが、傷はない。


「……はぁ」


服を払う。


土が落ちる。


顔は不機嫌だった。


「この僕が」


額に青筋が浮かぶ。


「砂と土まみれとはな」


周囲を見る。


何もない。


王も。


騎士も。


国民も。


誰も残っていなかった。


「むかつく!!」


「僕がやるつもりだったのに!!」


ネメシスが叫ぶ。


空中都市が落ちる直前。


ネメシスは能力を使った。


『重力操作』


自らを地中深くへ沈めたのだ。


だから助かった。


だが。


服を汚れてしまった。


ネメシスは空を見上げる。


そこに空中都市はない。


クロノもいない。


残ったのは。


破壊だけだった。


「やっぱり殺してやる」


そう呟き。


ネメシスは歩き出した。


最上位が戦うということ。


それは。


人も。


国も。


歴史も。


何もかも消えるということだった。











レイたちは唖然としていた。


巨大な轟音。


巨大な衝撃。


そして。


巨大な土煙。


離れていても分かった。


国が消えた。


ついさっきまでいた国が。


一瞬で。


「そんな……」


ミントが口元を押さえる。


フォーサは震えている。


マッドは唾を飲み込む。


ペーパーですら言葉が出ない。


レイは空を見ていた。


最上位。


あれが。


最上位か。


ライゼンやクロエ。


ブラッドやアクアですら。


比べ物にならない。


レイは拳を握る。


強く。


強く。


握り締める。


「違う」


誰も反応しない。


レイは続ける。


「いつかじゃダメなんだ」


声は震えていた。


だが。


瞳は真っ直ぐだった。


「早くあいつらを殺さないと」


皆がレイを見る。


「犠牲者が増え続ける」


レイは見た。


何万人もの命が消える瞬間を。


たとえ王が責任を取らされるとしても。


民は違う。


子供も。


老人も。


関係ない。


それでも死んだ。


最上位にとって。


そんなものは関係なかった。


レイは理解した。


あいつらは。


もう人じゃない。


怪物だ。


そして。


その怪物が世界を支配している。


レイは前を向く。


「行こう」


四人が顔を上げる。


「弱者を虐げる者たちは許さない」


一歩踏み出す。


「私が必ず」


もう迷いはなかった。


「世界を変える!!」


四人が頷く。


五人は歩き出した。


その先に待つのは。


支配者の世界だった。

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