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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第三話 復讐

父が死んだ。


また無罪。


そして補償金。


レイは屍のように生きていた。


能力ランキングは人の命より重い。


特に22位ともなれば、国が守る。


ただの平民は理不尽に殺されても、文句の一つも言えない。


そんなことがあっていいはずがない。


殺す。


そうしてレイの目は殺意に染まった。











レイはブラッドを調べ尽くした。


ブラッドはいつも同じ酒場にいた。


戦争中は最前線で暴れているが、今は休暇中。


大量の酒を飲み、同じ道を通って帰る。


だから罠を張る。


酒に毒を仕込む。


道に爆弾を埋める。


最後はナイフで刺す。


もう死ぬことなんて怖くない。


両親の仇だ。











決行当日。


レイは酒場に先回りしていた。


そこへブラッドが現れる。


レイはフードを深く被って顔を隠す。


ブラッドは酒を注文する。


しばらくして席を立った。


トイレへ向かったのだろう。


レイは急いで近づく。


そして酒に毒を流し込んだ。


すぐに店を出る。


今度は爆弾を埋めた場所へ向かう。


あとは待つだけ。


レイは近くの木の陰に身を隠した。


もし毒が効いているなら。


ブラッドはここには現れない。


現れないことを願った。











ブラッドは現れた。


酒瓶を片手に歩いてくる。


毒が効いていない。


なぜ。


レイは唇を噛んだ。


だが、もう後には引けない。


ブラッドが指定の位置に来る。


今だ。


ドォン!!


爆音が響く。


炎と煙が吹き上がった。


レイは即座に飛び出す。


ナイフを握る。


煙の中へ突っ込む。


人影を見つける。


刺した。


そう思った。


だが。


手首を掴まれていた。


「残念だったなぁ」


煙の向こうでブラッドが笑う。


次の瞬間。


腹に衝撃が走った。


「ぐっ……!」


レイの体が吹き飛ぶ。


地面を転がる。


口から血が噴き出した。


ブラッドがゆっくり近づいてくる。


「んー?」


「お前、あの時のガキじゃねぇか」


レイは震えながら立ち上がる。


「なんで……」


「毒も爆発も効かないの?」


ブラッドは鼻で笑った。


「毒?」


「あぁ。俺は常に黒炎をまとってるからな」


「体に入った毒なんざ勝手に焼け死ぬ」


レイの顔が青ざめる。


ブラッドは続けた。


「爆発は悪くねぇ」


「だがな」


「戦場を何百回も潜り抜けてきた俺には通じねぇなぁ」


絶望。


その言葉しか浮かばなかった。


全て無駄だった。


何も届かなかった。


能力だけじゃない。


こいつ自身が怪物だった。


ブラッドが楽しそうに笑う。


「その顔」


「たまんねぇな!!」


レイの体が震える。


「父親も同じ顔してたぜ!!」


父。


優しかった父。


滅多に帰ってこなかったけれど。


自分を愛してくれていた父。


ブラッドは笑い続ける。


「お前の父親も殺すつもりだったがよぉ」


「自分から死にに来てくれた」


「馬鹿だよなぁ」


レイの頭が真っ白になる。


怒り。


悲しみ。


絶望。


全てが混ざり合う。


ブラッドはつまらなそうにため息を吐いた。


「復讐するならもっと本気でやれ」


「今のお前じゃ無理だ」


そしてレイの頭を乱暴に掴む。


「弱すぎる」


そのまま地面へ叩きつけた。


視界が揺れる。


意識が遠のく。


ブラッドは背を向けた。


「じゃあな」


「次はもう少し楽しませろよ」


そう言って去っていく。


レイは地面に倒れたまま動けなかった。


悔しい。


悔しい。


悔しい。


涙が溢れる。


だが。


その瞬間。


右手が熱を帯びた。


能力『光線』


一ミリしか出ないはずの光。


その光が。


今まで見たこともないほど眩しく輝き始めていた。


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