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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第二十四話 能力者の国

「お前たち、旅の者か?」


門番の兵士が聞いてきた。


「はい」


レイが答える。


兵士はレイたちを見渡した。


「お前たちは能力者か?」


今度はマッドが前へ出る。


胸を張って答えた。


「そうです!」


レイは少し笑う。


随分立派になったものだ。


以前のマッドなら。


きっとこんな風には答えられなかった。


兵士は全員を見る。


レイ。


マッド。


ペーパー。


フォーサ。


「……いいだろう」


「全員入れ」


巨大な門が開かれる。


重い音が響いた。











中へ入った瞬間。


レイたちは足を止めた。


異様な光景だった。


あらゆる場所に訓練施設がある。


能力者同士が戦っている。


炎。


雷。


氷。


様々な能力が飛び交う。


建物の屋上では能力の制御訓練。


広場では模擬戦。


訓練場では集団戦。


まるで国全体が訓練施設だった。


「すごい……」


フォーサが呟く。


「こっちだ」


兵士が歩き出す。


レイたちは後を追う。


しばらく歩き。


たどり着いたのは。


豪華な扉の前だった。


「まさか」


マッドが嫌な予感を覚える。


兵士は平然と言った。


「王の間だ」


「いきなり王様ですか!?」


マッドが叫ぶ。


ペーパーも驚いていた。


レイは少し笑う。


前にも。


こんなことがあった気がする。


兵士が扉を開いた。


そして。


レイたちは息を呑む。


「……!?」


王座には。


大男と大女が座っていた。


だが。


普通ではない。


二人とも異常な威圧感を放っている。


強い。


レイは瞬時に理解した。


ブラッドや。


クロエに近い。


「ようこそ我が国へ」


王が笑う。


それだけなのに。


全員の身体が震えた。


「あらあなた」


女王が苦笑する。


「怖がってるわよ」


王は腕を組む。


「そうか」


少し考える。


そして笑った。


「これからに期待だな」


その言葉で。


少しだけ空気が和らいだ。


王はレイたちを見る。


「お前たちは能力ランキングに入っているか?」


「俺は88位だ」


ペーパーが答える。


王と女王の目が少し変わる。


他の三人は首を横に振った。


「そうか」


王が頷く。


そして。


立ち上がった。


「我が国の目的は!!」


大声が響く。


全員が驚く。


「『最上位会議』に参加できる実力者を育てることだ!!」


レイは目を細めた。


最上位会議。


世界の頂点。


1位から10位までで構成される会議。


世界のあらゆることを決める存在。


「その会議に入りたいってこと?」


レイが聞く。


女王が答えた。


「えぇ」


「国から一人でも入れば」


「世界を牛耳ったも同然だから」


当たり前のように言う。


レイは考える。


この国も結局。


力を求めている。


王は笑った。


「だから!!」


王の声が響く。


「この国は能力者を歓迎する!!」


「可能性がゼロではないからな!!」


王はレイたちを見る。


期待するような目だった。


そして。


「今日は休め」


「話はそれからだ」


レイたちは客室へ案内された。











客室へ向かう途中。


兵士が説明した。


「本日は自由を許可します」


「明日までに決めてください」


「この国の民になるか」


「それとも出ていくか」


感情のない口調だった。


「我々は歓迎しております」


そう言い残して去っていく。


レイたちは部屋へ入った。


しばらく沈黙。


最初に口を開いたのはペーパーだった。


「おいおい」


「まさか民になるのか?」


腕を組む。


フォーサが申し訳なさそうに言う。


「ごめん」


「私、あんまり知らなかった」


マッドが考え込む。


「レイさんが目指す能力ランキング制度の破壊とは」


「真逆ですね……」


真逆。


本当にそうだろうか。


レイは考える。


制度を壊す。


そのためには。


制度を知らなければならない。


そして。


変えるなら。


外からより。


内からの方がいい。


もし。


この国から誰かが最上位会議へ入れば。


制度そのものに異議を唱えられるかもしれない。


何より。


今の自分たちは弱い。


クロエにも。


ギルにも。


届かない。


だから。


答えは決まっていた。


「入ろう」


レイが言う。


全員が驚く。


「私たちは」


「強くならないといけない」


レイは仲間たちを見る。


「これはまたとないチャンスよ」


沈黙。


そして。


マッドが頷く。


「僕も賛成です」


ペーパーが笑う。


「まぁ、面白そうだしな」


フォーサも嬉しそうだった。


こうして。


レイたちは能力者の国の民となった。


まだ誰も知らない。


この国で待ち受ける運命を。


大合戦のことを。


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