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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第206話 決裂

レギウスは。


困惑していた。


目の前。


弟。


ドルガン。


その目には。


明確な敵意。


殺意。


兄弟に向けるものではなかった。


レギウスが言う。


「なんで……」


「なんでこんなことするんだ」


「ドルガン」


当然だった。


理解できない。


兄弟で戦う意味が。


分からない。


だが。


ドルガンは冷たく答えた。


「俺は」


「自分が」


「誰かより下なのが」


「どうしても許せないらしい」


まるで。


自分を他人のように語る。


異様だった。


レギウスが言う。


「俺は」


「お前より強くない」


成長と共に。


レギウスの一人称は。


僕から俺へ変わっていた。


だが。


内面は変わらない。


まだ十二歳。


優しい兄だった。


その言葉を聞いた瞬間。


ドルガンの顔が歪んだ。


怒り。


殺意。


爆発する。


「だったら!!」


怒声。


空間が震える。


「今ここで証明しろ!!」


拳を握る。


血管が浮く。


「俺より弱いってことを!!」


次の瞬間。


ズズズズズ……。


不気味な音。


空間が裂ける。


闇が開いた。


そこから現れる。


四つの影。


ケルベロス。


ガルーダ。


サキュバス。


デュラハン。


神話の怪物達。


レギウスが目を見開く。


「ドルガン……」


「お前の能力なのか……?」


ドルガンが笑う。


獰猛に。


「そうだ!!」


そして。


拳を握る。


「それに」


「俺もいる」


静寂。


レギウスが理解する。


怪物達。


異常。


だが。


目の前の弟も。


同じだった。


いや。


それ以上。


神話の怪物と。


何ら遜色ない怪物。


ドルガンは。


そこまで到達していた。


レギウスが考える。


どうすればいい。


どうすれば。


普通の兄弟に戻れる。


わざと負ける?


違う。


それは駄目だ。


嘘は見抜かれる。


そうなれば兄弟は終わる。


なら。


答えは一つ。


圧倒する。


絶対的な差を見せる。


諦めさせる。


兄として。


止める。


それしかない。


レギウスが。


一呼吸入れた。


静寂。


そして。


発動する。


能力。


『居合空間』


世界には。


隠していた能力。


周囲が。


自分を神格化した。


強すぎるが故に。


言い出せなかった。


本当は。


産まれた時から。


能力が開花していた。


次の瞬間。


サラッ。


小さな音。


静寂。


神話の怪物。


四体全てが。


一瞬で塵になった。


跡形もなく。


消滅。


ドルガンが固まる。


「……は?」


理解不能。


そして。


スッ。


ドルガンの上着。


前面が。


塵になった。


バラバラと消える。


ドルガンが慌てる。


何が起きた。


見えない。


何も分からない。


レギウスが言う。


静かに。


「もういいだろ?」


悲しそうに。


弟を見る。


「こんなことはやめよう」


その言葉。


ドルガンの中で。


何かが完全に切れた。


「こんなことだと……?」


声が低い。


震えていた。


怒りで。


ドルガンが叫ぶ。


「俺が!!」


「どれだけ鍛えたと思っている!!」


闘技場が揺れる。


「地獄で!!」


「人間を辞めて!!」


「毎日毎日!!」


「死ぬ気で鍛え続けた!!」


「それを貴様!!」


顔が歪む。


「許さん!!」


次の瞬間。


ドルガンが消えた。


目にも止まらぬ速度。


一直線。


レギウスへ。


襲いかかる。


だが。


スパッ。


静寂。


ドルガンの目が見開く。


「……かは」


腹部。


線が入る。


そして。


血が噴き出した。


ドルガンの腹部が。


斬られていた。


内臓の手前。


ギリギリ。


綺麗に。


正確に。


レギウスが。


手加減したのだと。


分かった。


ドルガンが膝をつく。


レギウスが近づく。


悲しい目で。


弟を見る。


そして言う。


「兄弟に戻ろう」


静寂。


ドルガンが顔を上げた。


目。


完全に壊れていた。


憎しみ。


執念。


狂気。


ドルガンが叫ぶ。


「絶対に許さねぇ!!」


怒声。


血が飛ぶ。


「俺は必ず!!」


「お前を殺す!!」


絶叫。


そして。


言い放つ。


「この場所で!!」


その瞬間。


ズズズズズ……。


不気味な音。


空間が歪む。


レギウスの顔が変わる。


「……!」


現れた。


巨大な黒い人影。


玉座に座る。


闇そのもの。


圧倒的存在。


巨大な手が。


ドルガンを掴んだ。


そのまま。


ドルガンを連れて。


地獄へ消えた。


静寂。


何もなくなる。


レギウスだけが。


立っていた。


呆然と。


その場に。


静かな闘技場。


レギウスは。


俯いた。


苦しそうに。


落ち込んでいた。


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