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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第195話 弟の最期

レイが。


遠くを見る。


その瞬間。


見えた。


マッド。


立っていた。


レイの顔が変わる。


「マッド……!!」


叫ぶ。


走ろうとした。


だが。


その時。


遠くで。


男の声が響く。


「全核崩壊!!!!」


次の瞬間。


ドゴォォォォォォォン。


轟音。


周囲の全てが。


崩壊した。


地面。


岩。


木々。


空間。


存在そのものが。


消えていく。


レイ達が。


マッドを見る。


その瞬間だった。


マッドの顔。


笑っていた。


優しく。


いつものように。


レイの目が見開く。


マッドの口が動く。


声は届かない。


だが。


分かった。


「レイさん……」


最後の言葉。


そして。


次の瞬間。


マッドの身体が。


崩れた。


消えた。


跡形もなく。


能力ランキング圏外。


マッド。


死亡。


静寂。


レイが止まる。


フォーサも。


固まった。


何も言えない。


今まで。


多くの仲間を失った。


ペーパー。


ミント。


他にも。


たくさん。


でも。


マッドは。


特別だった。


能力ランキングを壊す。


そう決めて。


国を出た。


初めて。


虐げられている人を助けた。


それが。


マッドだった。


家族を殺され。


独りだった少年。


その少年と。


旅が始まった。


脳裏に浮かぶ。


マッドとの日々。


笑った日。


怒った日。


戦った日。


全部。


思い出す。


レイさん。


レイさん。


レイさん。


いつも。


自分を呼ぶ声。


丸眼鏡の。


気弱な少年。


ずっと。


自分を慕ってくれた少年。


一緒に監獄に入った少年。


空気が読めない少年。


いつも。


場を明るくしてくれた少年。


まっすぐで。


優しくて。


大好きな。


弟。


レイの身体が震える。


そして。


壊れた。


「あああああああああ!!!!!!」


絶叫。


悲鳴。


魂の叫び。


スエルテが目を見開く。


「レイ!?」


慌てる。


だが。


隣で。


フォーサも崩れ落ちた。


「うわああああああああ!!!!!」


大声で泣く。


涙が止まらない。


マッド。


彼は。


二人にとって。


兄弟だった。


ペーパーとも。


ミントとも違う。


年の近い。


兄弟。


共に笑い。


共に苦しみ。


共に進んだ。


その死は。


あまりにも重かった。


二人の心を。


完全に砕いた。











アルディオが。


片膝をついた。


「はぁ……」


「はぁ……」


呼吸が荒い。


全核崩壊。


消耗は大きい。


以前。


モルドを殺した時。


数百メートル規模で発動した。


だが。


今回は違う。


相手は弱い。


範囲をかなり絞った。


そのおかげで。


消耗は激しいが。


倒れるほどではない。


アルディオが顔を上げる。


その時。


絶望する叫び声。


レイ。


フォーサ。


スエルテ。


三人がいた。


アルディオが目を細める。


「仲間か」


その時だった。


「待て」


低い声。


背後から。


アルディオが振り向く。


そこにいた。


巨大な男。


圧倒的な体格。


規格外。


異常な威圧感。


アルディオの顔が変わる。


「お前……」


息を呑む。


理解する。


会ったことはない。


だが。


分かる。


こんな男。


一人しかいない。


「ドルガンか……」


能力ランキング第2位。


世界の支配者。


ドルガン。


アルディオが構える。


殺気が走る。


だが。


ドルガンは。


アルディオを見ていなかった。


視線の先。


レイ。


泣き崩れる少女。


ドルガンが静かに言う。


「あの少女が」


「泣き止むまで待て」


静寂。


アルディオが固まる。


意味が分からない。


この状況で。


何を言っている。


理解不能だった。


アルディオが眉をひそめる。


そして。


右手を上げる。


その瞬間。


アルディオの顔が凍った。


「え……?」


周囲。


いつの間にか。


囲まれていた。


四方向。


殺気。


異常な気配。


ケルベロス。


ガルーダ。


サキュバス。


デュラハン。


神話の怪物達が。


アルディオを囲んでいた。


「待てと言ったはずだ」


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