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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第190話 第1位始動

道場前。


フェルの剣が。


ゼクトの腹部を貫いていた。


致命傷。


だが。


フェルの顔から。


血の気が引く。


嫌な汗が流れる。


致命傷だが。


急所ではない。


心臓を外している。


フェルが目を見開く。


「何のつもりですか……?」


ゼクトが血を吐く。


口元を歪める。


笑っていた。


「くっ……くっくっく……」


苦しそうに。


だが。


楽しそうに。


ゼクトが言う。


「分からねぇのか?」


フェルが剣を握る。


ゼクトが続ける。


「俺は能力を使った」


血が滴る。


能力。


『物体落下』


刺される直前。


フェルの剣へ干渉した。


ほんのわずか。


下へ。


剣先をずらした。


その結果。


心臓を回避した。


フェルの顔が歪む。


ゼクトが笑う。


「もう俺は死ぬ」


血を吐く。


だが。


目だけは狂っていた。


「でもな」


口角が上がる。


「お前らも道連れだ」


次の瞬間。


ゼクトが右手を上げた。


最後の力。


命の全て。


能力発動。


「二発目だぁぁぁぁ!!!!」


叫ぶ。


狂った笑顔。


そしてそのまま。


絶命した。


能力ランキング第20位。


ゼクト。


死亡。


静寂。


フェルとフレアが。


ゆっくり空を見る。


そこにあった。


巨大な影。


隕石。


二発目。


落ちてくる。


ゼクトは死んだ。


だが。


能力は止まらない。


もう。


避けられない。


フェルが小さく笑う。


フレアも笑った。


轟音。


世界が赤く染まる。


ドゴォォォォォン!!!


能力ランキング第17位。


フェル。


死亡。


能力ランキング第48位。


フレア。


死亡。











クロエは。


座り込んでいた。


虚ろな目。


何も映していない。


ディオンが死んだ。


アストラが死んだ。


大切な人が。


何人も。


何人も。


消えた。


心が。


限界だった。


崩壊していた。


もう。


どうでもよかった。


能力ランキング。


世界。


全部。


どうでもいい。


その時。


足音が聞こえた。


ゆっくり。


近づいてくる。


クロエが顔を上げる。


そこにいた。


男。


異質だった。


周囲が。


崩れていく。


地面。


瓦礫。


空間。


存在が壊れていた。


能力ランキング第14位。


アルディオ。


アルディオが止まる。


そして聞いた。


「最上位の居場所を知っているか」


冷たい声。


感情がない。


クロエがゆっくり立ち上がる。


影が揺れる。


拳を握る。


そして。


叫んだ。


「私が……!!」


「私が最上位よ!!!」


絶叫。


影が広がる。


アルディオの足元。


影を動かす。


その瞬間。


何かが起きた。


クロエの目が見開く。


「え……?」


地面が崩れる。


空間が壊れる。


クロエごと。


消えた。


音もなく。


跡形もなく。











隕石によって。


全てが消えた道場。


何も残っていない。


建物も。


木々も。


命も。


その場所に。


三人の姿があった。


能力ランキング第1位。


レギウス。


そして。


妻。


娘。


家族三人。


立ち尽くしていた。


静寂。


妻が震えた声で言う。


「あなた……」


レギウスは答えない。


娘が震える声で言う。


「フェルは?」


「フレアは?」


「ボムは?」


混乱していた。


「みんなどこ?」


レギウスは。


何も言わない。


ただ。


景色を見ていた。


固まっていた。


彼は。


旅行していた。


家族三人で。


その留守に。


弟子三人が。


道場ごと。


消えた。


狙われたんだ。


自分が留守にする瞬間を。


沈黙。


レギウスが。


荷物を置いた。


静かに。


あまりにも静かに。


言う。


「ちょっと」


「行ってくるよ」


声は穏やかだった。


だが。


空気が変わる。


能力ランキング第1位。


最強。


レギウスが。


歩き出した。


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