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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第187話 無能力の拳

ドルガンに気に入られてから。


ディオンの人生は変わった。


待っていたのは。


地獄だった。


文字通り。


地獄の特訓。


地獄と特訓する。


意味不明だった。


だが。


本当だった。


神話の怪物。


ケルベロス。


ガルーダ。


サキュバス。


デュラハン。


怪物。


怪物。


怪物。


毎日戦った。


何度も死にかけた。


骨が砕けた。


内臓が潰れた。


血を吐いた。


それでも。


終わらない。


何度も立った。


何度も殴った。


何度も倒れた。


そして。


強くなった。


圧倒的に。


今までの比ではないほど。


ある日。


ディオンが聞いた。


「俺を強くして」


「どうしたい?」


ドルガンは答えた。


「お前には」


「能力者の情報を集めてもらう」


ディオンが眉をひそめる。


「どういう意味だ」


ドルガンが言う。


「俺は能力者を保護するために」


「能力ランキングを作った」


ディオンの目が見開く。


「は……?」


理解が追いつかない。


能力ランキング。


世界の基準。


その創設者。


ドルガンだった。


ディオンが呟く。


「何者だ……」


ドルガンが笑う。


「俺は」


「能力ランキング第2位だ」


空気が変わる。


圧。


能力ランキング創設者。


能力ランキング第2位。


世界の支配者。


それがドルガン。


ドルガンが続ける。


「俺は」


「とある能力を探している」


「それをお前に見つけてもらいたい」


ディオンが即答する。


「お前が自力で探せばいい」


当然だった。


第2位。


そんな怪物が自分で探せばいい。


だが。


ドルガンは首を振った。


「俺は強くならなければならない」


静かな声。


だが。


異常な重みがあった。


「だから」


「この世界にいる時間はない」


そう言って。


指をさす。


ディオンがそちらを見る。


そして。


固まった。


「は……?」


言葉が出ない。


そこにいた。


巨大な黒い人影。


玉座に座る。


闇。


存在そのものが。


恐怖だった。


見ただけで。


身体が震える。


本能が叫ぶ。


関わるな。


逃げろ。


だが。


足が動かない。


ドルガンが言う。


「あれは地獄の王」


「闇王だ」


ディオンが息を呑む。


ドルガンが続ける。


「奴と訓練して」


拳を握る。


「俺は最強になる」


ディオンは理解した。


ドルガンが。


どこを見ているのか。


もっと先。


もっと上。


ディオンが聞く。


「どんな能力を探せばいい」


ドルガンが答えた。


短く。


「光」


静寂。


それだけだった。


そうして。


ドルガンは国を作り。


ディオンに。


全てを任せた。











空中。


ディオンの拳が。


空中都市へ激突する。


ドゴォォォォォン!!!


轟音。


世界が揺れる。


ディオンが笑った。


思えば。


あの日から。


人生は変わった。


豊かだった。


ガイア。


ボルト。


スライム。


仲間ができた。


能力ランキング第11位まで上った。


そして。


ドルガン様の待ち人も。


見つけた。


レイ。


能力。


『光線』


やるべきことは。


果たせた。


だが。


最後に。


もう一つ。


やるべきことができた。


それは。


クロエを。


守ること。


愛する者を。


守ること。


最初は。


ガイアとの約束だった。


だが。


気づけば。


違った。


クロエに。


惚れていた。


ディオンが笑う。


心から。


良い人生だった!


咆哮。


「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」


拳に。


全てを込める。


魂。


命。


人生。


全て。


次の瞬間。


轟音。


空中都市に。


亀裂が走る。


ミシ。


ミシミシ。


そして。


バゴォォォォォン!!


空中都市が。


二つに。


割れた。


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