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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第175話 ガーデン

「ふんふふーん♪」


一人の少年が。


鼻歌を歌いながら。


食事をしていた。


穏やかな昼。


静かな家。


どこにでもありそうな光景。


だが。


少年は普通ではない。


能力ランキング第10位。


ハルシ。


最上位。


能力。


『幻覚支配』


相手に幻覚を見せる能力。


だが。


ただ見せるだけではない。


現実と幻覚の境界を壊す。


気付いた時には。


死んでいる。


嵌め殺し。


それが彼の戦い方だった。


ハルシがため息をつく。


「つまらないなー」


机に頬杖をつく。


退屈そうだった。


ランキング者が。


どんどん死んでいく。


世界は大きく動いている。


だが。


ハルシは動かない。


昔。


人を弄びすぎた。


結果。


ドルガンに殺されかけた。


それ以来。


大人しくしていた。


その時だった。


「暇そうだね、ハルシ」


ハルシが振り向く。


そこにいた。


白いワンピースの少女。


手にはジョウロ。


静かに立っている。


能力ランキング第5位。


ノア。


ハルシが笑う。


「やあ、ノア」


気軽な声。


「どうしたの?」


ノアは無言。


そして近づき。


ゆっくり指をさす。


野菜。


ハルシの食卓にある。


サラダだった。


ハルシが首を傾げる。


「食べたいの?」


その瞬間。


ノアの雰囲気が変わった。


目が開く。


口が動く。


異常な速度で。


喋り始めた。


「食べたい?」


「何を言っているの?」


「逆でしょ?」


ノアの目が狂気に染まる。


「なんで人間が植物を食べるの?」


「植物だって生きている」


「食物連鎖の最底辺にされている」


「一番虐げられているのは植物なの」


「誰もそれを気にしない」


「許せない」


ハルシが固まる。


いつものノアではない。


やばい。


本能が告げた。


危険。


即座に能力発動。


『幻覚支配』


だが。


何も起きない。


ハルシが目を見開く。


「あれ……?」


能力が発動しない。


その瞬間。


ノアがジョウロを傾けた。


水が落ちる。


野菜へ。


野菜が動く。


うねうねと。


生き物みたいに。


ハルシの目が見開く。


「なっ……」


遅かった。


野菜が飛ぶ。


目。


耳。


口。


一瞬で侵入した。


「んぐっ!?」


ハルシがもだえる。


身体が震える。


中から。


掻き回される。


破壊される。


「や……め……」


ドサッ。


倒れた。


動かない。


静寂。


能力ランキング第10位。


ハルシ。


死亡。


ノアが微笑む。


優しく。


狂気的に。


「ありがとう、植物」


「ありがとう、リンク」


その時。


奥から男が現れた。


能力ランキング第33位。


リンク。


能力。


『魂接続』


死者の能力のうち。


一つを使用できる。


異常な能力。


最強クラス。


だが。


大きな制約がある。


一度選んだ能力は。


二十年間。


変更できない。


だから。


彼は待っていた。


本当の最強能力を。


それは。


能力ランキング第4位。


アストラの。


能力。


『能力無効』


リンクが静かに笑う。


「ようやくだ」


長かった。


本当に。


長かった。


ノアが笑顔で両手を広げる。


「さぁ」


「植物の世界を作りましょう」


「私達は」


その時。


さらに二つの影が現れる。


一人。


能力ランキング第20位。


ゼクト。


もう一人。


能力ランキング第64位。


リペア。


四人。


揃った。


ノアが微笑む。


「ガーデン」


ディバイドの崩壊によって。


新たな怪物達が生まれた。


最悪の組織。


ガーデン。


彼らの目的は。


能力ランキングの支配でもない。


ランキング制度の破壊でもない。


そんな小さいものではない。


ノアが静かに笑う。


狂気に満ちた瞳。


「人間はいらない」


「動物もいらない」


ジョウロから水が落ちる。


植物が揺れた。


「この世界に必要なのは」


「植物だけ」


ノアが両手を広げる。


「世界を滅ぼす」


最悪が。


動き出した。


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