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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第173話 壊れた影と壊れた光

クロエの中で。


何かが壊れた。


静かに。


完全に。


アストラの死。


目の前で。


たった今。


姉が死んだ。


再会できた姉が。


死んだ。


クロエの瞳から光が消える。


残ったのは。


殺意。


憎しみ。


怒り。


全てが。


クロエを支配した。


そして。


覚醒する。


「がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


声にならない叫び。


絶叫だった。


大地が揺れる。


次の瞬間。


遠くの建物の影が膨れ上がった。


黒い影。


巨大に。


どこまでも広がる。


一瞬だった。


そして。


影が蠢く。


ドクン。


クロエの心臓が脈打つ。


次の瞬間。


影の中から。


現れた。


巨大な獣の頭。


黒い化け物。


影でできた怪物。


口を開く。


建物より大きかった。


そして。


飲み込もうとする。


建物ごと。


丸ごと。


「な……」


ガンが目を見開く。


動揺。


ありえない。


建物ごと。


引きずり込まれる。


ガンが即座に判断する。


化け物は無視。


狙うべきは本体。


クロエ。


右手を銃へ変形させる。


狙いを定める。


その瞬間。


射線上に。


男が立った。


ディオン。


ガンが顔を歪める。


「く……!」


撃つしかない。


バン。


乾いた音。


弾丸が飛ぶ。


高速。


だが。


次の瞬間。


カン。


金属音。


弾が弾かれた。


ディオンが蹴っていた。


ガンの顔が凍る。


「そんな……」


最後の言葉だった。


次の瞬間。


巨大な獣の影が。


建物を飲み込んだ。


ガンもろとも。


悲鳴すら。


なかった。


能力ランキング第24位。


ガン。


死亡。











ディオンは驚いていた。


飛んできた弾ではない。


クロエ。


その覚醒に。


あの距離。


あの巨大な建物。


一飲み。


消し去った。


規格外だった。


クロエは。


怪物になっていた。


ディオンの肩を。


スライムが叩く。


「守ってよかったのぉぉぉ?」


「ディバイドだけどぉぉぉ……」


ディオンが静かに言う。


「いい」


「ガイアとの約束だからな」


クロエを守る。


それが役目だった。


その時。


バタッ。


クロエが倒れた。


意識を失う。


限界だった。


当然だ。


目の前で姉が死んだ。


精神が耐えられるはずがない。


スライムが慌てる。


「運ぶよぉぉぉ!!」


急いでクロエの元へ向かい。


医療室へ運ぶ。


ディオンはその場に立ったまま。


静かにアストラを見る。


血だまり。


動かない身体。


ディバイドのリーダー。


革命家。


狂人。


そう聞いていた。


だが。


今。


目の前にいるのは。


ただの女だった。


ディオンが小さく息を吐く。


不思議なものだ。


その時だった。


悪寒。


強烈な。


ディオンの背筋が凍る。


空気が変わった。


最上位。


そう錯覚するほどの圧。


入口。


急いで振り向く。


そこに。


立っていた。


レイ。


マッド。


フォーサ。


ディオンが息を呑む。


雰囲気が違う。


レイ。


静かだった。


あまりにも。


静かすぎた。


その静けさが。


恐ろしかった。


レイが口を開く。


「ディオン」


冷たい声。


感情が読めない。


レイの瞳がディオンを貫く。


そして。


聞いた。


「ドルガンはどこ」


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