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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第169話 姉妹の共闘

男が腰を低く落としていた。


左手を引く。


右手を前へ出す。


独特な構え。


それだけで分かる。


強い。


圧倒的に。


大臣が思わず感心する。


「すごいな……」


目の前にいる男。


能力ランキング第7位。


リュウ。


最上位。


能力。


『波動爆砕』


手から超広範囲の波動を放つ。


破壊の能力。


街ごと。


一瞬で吹き飛ばす。


圧倒的な殲滅力だった。


リュウが協力するには二つの条件がある。


一つ。


相手が悪人であること。


もう一つ。


金を積むこと。


この二つさえ揃えば。


どんな依頼でも受ける。


大臣は危惧していた。


クロエが。


アストラの味方になることを。


だから。


リュウに依頼した。


二人ともまとめて殺すことを。


リュウが静かに言う。


「これで良いな?」


大臣が満面の笑みを浮かべる。


「あぁ、さすがだ最上位」


安心していた。


終わったと。


そう思っていた。


だが。


次の瞬間。


リュウの表情が変わる。


真顔。


鋭い目。


「下がっていろ」


大臣が固まる。


リュウが砂煙を見る。


静寂。


その奥から。


影が二つ。


ゆっくり現れる。


大臣が目を見開く。


「なっ……」


ありえない。


生きていた。


砂煙の中から現れたのは。


二人の少女。


アストラ。


クロエ。


リュウが低く呟く。


「やるな」


本気の顔だった。


アストラは超速で。


クロエは影に潜り。


爆砕を回避していた。


クロエが前を見る。


冷静だった。


「私が首を折るわ」


短く言う。


アストラが笑う。


「わたしがー、能力を無効化する☆」


クロエが止まる。


ちらっと見る。


「何、その喋り方……」


アストラがにこっと笑う。


「よろしくねー☆」


クロエが少しだけ呆れた。


だが。


今は戦闘中。


切り替える。


リュウが腰を落とす。


再び構える。


能力発動。


『波動爆砕』


だが。


何も起きない。


リュウの目が見開く。


「なに!?」


能力が。


発動しない。


その瞬間。


地面の影が動いた。


黒い手。


一瞬で伸びる。


リュウの首を掴んだ。


クロエの能力。


『影喰い』


捕らえた。


クロエが力を込める。


折る。


首を。


だが。


ミシッ。


それだけ。


折れない。


クロエの目が揺れる。


「かたい!?」


異常だった。


人間じゃない。


リュウが笑う。


「悪くない」


そして。


クロエへ向かおうとする。


その瞬間。


アストラが突っ込んだ。


超速。


一瞬で距離を詰める。


「えーい!」


シュッ。


レイピアが走る。


リュウの首に刺さった。


「かはっ」


血が飛ぶ。


入った。


だが。


次の瞬間。


ガシッ。


リュウが。


刺さったレイピアを掴んだ。


アストラが目を見開く。


「あらー?」


抜けない。


全力で引く。


動かない。


びくともしない。


握力が異常だった。


リュウが拳を握る。


そのまま。


アストラへ振り抜く。


速い。


空気が裂ける。


間一髪。


アストラがレイピアを離して、後ろへ跳ぶ。


ギリギリ回避。


頬が少し切れた。


汗が流れる。


リュウがレイピアを抜く。


血を吐く。


「くそ……」


苦しそうだった。


だが。


まだ立つ。


大臣は何もできない。


ただ見ているだけ。


静寂。


膠着状態。


互いに決定打がない。


クロエの影でも折れない。


アストラの剣でも致命傷にならない。


どうする。


アストラが考える。


そして。


閃いた。


セレスでは絶対にやらない方法。


アストラが笑う。


「なるほどねー☆」


レイピアを二本取り出す。


両手。


さらに口元が上がる。


アストラが前を見る。


リュウを見る。


にっこり笑った。


「じゃあねー☆」


消えた。


超速。


リュウが構える。


拳を握る。


カウンター狙い。


レイピアが一本や二本。


刺されても死なない。


そう判断した。


だが。


次の瞬間。


リュウの目が揺れる。


見失った。


速い。


さっきより。


さらに速い。


「どこに……」


遅かった。


シュッ。


シュッ。


二つの音。


静寂。


リュウの動きが止まる。


数秒。


沈黙。


そして。


血が流れた。


リュウの両眼。


二本のレイピアが。


深く突き刺さっていた。


「がああああああああ!!」


絶叫が響いた。


両目を失った。


そう。


セレスでは絶対にやらない目への攻撃。


どんな人間でも鍛えられない箇所。


だが。


リュウは。


倒れなかった。


「まだ」


「終わらんぞ」


アストラの背筋が凍った。


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