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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第166話 姉妹の溝

決行の日。


空は曇っていた。


重い空気。


城門の前に。


アストラは立っていた。


一人で。


静かに。


レイピアを握る。


覚悟は決まっていた。


クロエを縛るもの。


全て壊す。


大臣。


邪魔する者。


殺す。


アストラが城門を見上げる。


小さく息を吐く。


そして。


笑った。


狂気を纏った笑顔。


「行くかー」


軽い声。


だが。


目は冷たい。


その時。


兵士が声をかけた。


「おい、小娘」


アストラが顔を向ける。


兵士が睨む。


「そんなところで何してる?」


静寂。


アストラがにっこり笑った。


「アストラちゃんでーす☆」


兵士が眉をひそめる。


アストラが続ける。


明るく。


軽く。


まるで冗談みたいに。


「みーんなを殺しに来ましたー☆」


次の瞬間。


シュッ。


兵士の首に。


レイピアが突き刺さっていた。


「が……」


兵士が崩れる。


血が流れる。


周囲が固まる。


一秒。


二秒。


そして。


悲鳴。


「敵襲!!」


「侵入者だ!!」


「止めろ!!」


混乱。


怒号。


叫び。


始まった。


アストラの革命が。











城内。


大混乱だった。


兵士達が走る。


怒号が飛ぶ。


王の間。


王が立ち上がる。


「何事だ!?」


怒声。


兵士が慌てて跪く。


「し、侵入者です!!」


息を切らしながら。


叫ぶ。


「小娘が一人、暴走しています!!」


王が激怒した。


「小娘一人ごときに何をしている!?」


怒鳴る。


兵士が震える。


その横で。


大臣の顔色が変わった。


冷や汗。


嫌な予感。


まさか。


大臣が震える声で言う。


「王……もしや」


王が振り向く。


大臣が言った。


「クロエの姉では……?」


静寂。


王が固まる。


目が見開かれる。


クロエの姉。


一年前。


両親虐殺。


逃走。


その後の消息は掴めていない。


二人が息を呑んだ。











アストラは進んでいた。


順調だった。


兵士達の攻撃。


剣。


槍。


矢。


全部。


遅い。


スローモーション。


止まって見える。


まるで。


自分が『加速世界』を発動しているみたいだった。


セレス。


思い出す。


少しだけ。


口元が上がる。


「感謝してるよ」


アストラが小さく呟く。


兵士が斬りかかる。


遅い。


アストラが横へ動く。


首を斬る。


また一人。


倒れる。


さらに。


能力者。


炎。


雷。


氷。


様々な攻撃。


だが。


意味がない。


『能力無効』


全て消える。


アストラは止まらない。


突破。


圧倒。


そして。


上階へ辿り着く。


そこには。


大きな扉が何枚も並んでいた。


豪華な廊下。


重鎮達。


その家族。


部屋から次々に出てくる。


騒然。


怯えた目。


アストラが周囲を見る。


理解した。


「ここだ」


静かな声。


大臣の妻のクロエなら。


きっとこの辺りにいる。


その時だった。


「アス姉?」


声。


聞き覚えのある声。


時間が止まった。


アストラが振り向く。


そこにいた。


クロエ。


三年ぶり。


だが。


変わっていた。


高価なドレス。


高価なブレスレット。


高価な靴。


見た目は。


豪華だった。


だが。


目が違った。


死線を越えた目。


何人も殺した者の目。


アストラの目から涙がこぼれる。


止まらない。


やっと。


やっと会えた。


声が震える。


「やっと会えた……」


クロエを見る。


妹。


ずっと助けたかった存在。


だが。


次の瞬間。


想定外の言葉が飛んだ。


「何しているのアス姉!!」


アストラが固まる。


クロエの声は震えていた。


怒りで。


クロエが睨む。


その目を見た瞬間。


アストラの背筋が凍る。


敵意。


明確な。


殺意に近い敵意だった。


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