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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第143話 残り二十四人

レイは黙っていた。


何も言わない。


答えが出ない。


そもそも。


手伝う必要がない。


レギウスは無害に見えた。


少なくとも。


レイにはそう見えた。


スイカを持って。


笑っていた。


普通のおじさんだった。


そんな人を。


私が殺す必要がない。


静寂。


その時。


ドルガンが口を開いた。


「まぁ今はいい」


低い声。


レイが顔を上げる。


ドルガンは続ける。


「もっとお前が強くならなければ」


「話にならん」


切り捨てるような声。


レイが少しムッとした。


言い返したかった。


だが。


何も言えない。


実力差は明らかだった。


ドルガンが一枚の資料を机に置く。


バサッ。


全員の視線が集まる。


ドルガンが言う。


「お前達が暴れたおかげで」


冷静な声。


「随分とランキング者が減った」


レイ達は資料を見る。


そこに書かれていたのは。


生存者一覧だった。


1  レギウス

2  ドルガン

3  クロノ

4  アストラ

5  ノア

7  カイ

8  ノクリア

10 ハルシ

11 ディオン

14 アルディオ

17 フェル

19 クロエ

20 ゼクト

24 スナーク

29 ウィンド

33 リンク

48 フレア

59 スエルテ

60 スライム

64 リペア

69 ボム

71 テオ

75 ダッシュ

76 スカイ


静寂。


レイの目が揺れる。


残り。


二十四人。


気付けば。


七十六人が死んでいた。


レイが呟く。


「まさか……」


「ここまで……」


唖然としていた。


能力ランキング。


絶対的強者の象徴。


その大半が。


もう死んでいる。


ドルガンがレイを見る。


「ディオンから聞いたが」


「カイはお前の兄なんだな」


レイの身体が固まる。


ゆっくり頷く。


ドルガンが聞く。


鋭く。


真っ直ぐに。


「お前は兄をどうしたい?」


レイが目を見開く。


「それはどういう……」


言い切る前に。


ドルガンが返す。


「ノーランクの城災」


空気が変わる。


「アレは許されん」


冷たい声。


「能力ランキング第8位が」


「殺しに向かっている」


レイが息を呑む。


驚きで身体が震える。


私はどうすればいい。


頭が混乱する。


カイ。


兄。


十二年前。


ほとんど覚えていない。


顔も。


声も。


記憶が薄い。


でも。


兄だった。


きっと理由がある。


そう思いたかった。


両親の葬儀に来なかった理由も。


ノーランクを名乗っている理由も。


全部。


何か理由があるはずだった。


レイが立ち上がる。


迷いを振り切るように。


拳を握る。


「カイがやったことは許されない」


真っ直ぐ言った。


全員がレイを見る。


レイは続ける。


「でも」


息を吸う。


「なんでこんなことをしたのか」


瞳が揺れる。


「直接聞きたい」


静寂。


マッドがレイを見る。


フォーサも見る。


二人とも。


レイの答えを待っていた。


レイが振り向く。


「マッド」


「フォーサ」


「一緒に来てくれる?」


即答だった。


「もちろん!」


フォーサが言う。


「当たり前です!」


マッドも頷く。


迷いはない。


レイの隣に立つ。


三人は歩き出す。


扉の前へ。


ドルガンが口を開いた。


「手伝うか?」


レイは振り向かない。


ただ一言。


「部外者は来ないで」


静かな声だった。


そして。


扉を開ける。


そのまま閉じた。


バタン。


静寂。


スライムが目を丸くする。


ディオンが呟く。


「失礼な女だ」


ドルガンは黙っていた。


扉を見る。


そして。


誰にも聞こえないほど小さく。


呟いた。


「先に」


「兄殺しになってもらおうか」


その頃。


レイ達は全力で駆けていた。


目指す先は一つ。


カイの元へ。


兄妹の運命が。


今。


交わろうとしていた。


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