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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第132話 家族

レイ達は前線へ向かっていた。


異形の群れを突破し。


ディオンの元へ。


ようやく。


その姿が見えた。


まだ立っている。


だが。


状況は最悪に見えた。


異形に囲まれ。


さらに。


ヴェルナ。


マギア。


二人にも囲まれている。


ミントが叫ぶ。


「ギリギリね!」


その瞬間だった。


レイの世界が消える。


真っ暗。


何も見えない。


「なに!?」


レイが足を止める。


突然だった。


光も。


色も。


景色も。


全て消えた。


フォーサが慌てる。


「レイ!?」


「どうしたの!?」


ミントも焦る。


「レイ!?」


レイは手を伸ばす。


何も見えない。


何も。


「見えない……!」


その時だった。


「かはっ」


苦しそうな声。


ミントだった。


フォーサが振り向く。


そして。


凍り付いた。


「え……?」


ミントの身体が縮んでいた。


腕が。


脚が。


身体が。


どんどん。


縮む。


骨が悲鳴を上げる。


キシ。


キシキシ。


嫌な音。


「ミント!!!!!」


フォーサが叫ぶ。


レイは見えない。


何も分からない。


だが。


まずい。


本能が叫んでいた。


レイが右手を前へ向ける。


ディオン。


フォーサ。


ミント。


当たらない方向へ。


そして。


放った。


バシュ!


光線。


さらに。


振り回す。


ズガァァァァァン!!


横薙ぎ。


縦薙ぎ。


無差別。


「なんだ!?」


ファルスが顔色を変える。


慌てて後退した。


能力を解除する。


その瞬間。


「ごほっ!!」


大量の血。


ミントが吐き出す。


身体が崩れる。


地面へ倒れた。


レイは暗闇の中。


手探りで進む。


「ミント!!」


「ミント!!」


叫びながら。


必死に探した。











ヴェルナは遠くを見る。


レイ達。


作戦は成功した。


狙いはランキング者。


ラギの『視界破壊』で。


仲間の一人の視界を破壊する。


そして。


焦ったところで。


ファルスの『超圧縮』


ランキング者を殺す作戦。


だが。


ヴェルナは眉をひそめる。


先程の光線。


あれは危険だった。


あの威力。


あの範囲。


もし直撃していれば。


私達は全滅する。


あのピンク髪のランキング者ではなく。


黄色の髪の少女を殺すべきだった。


だが。


視界は奪った。


十分だった。


ヴェルナが退いてきたファルスに言う。


「ファルス」


「黄色い髪の女を狙って」


ファルスが頷き。


レイに向かって歩き出す。


その時。


ヴェルナの能力。


『直感』


違う。


その作戦は。


危険。


そう告げてきた。


だが。


ヴェルナは切り捨てた。


今は。


黄色の髪の少女を潰す。


それを優先した。











「なんで……!」


フォーサが泣いていた。


「なんでなの!?」


レイはようやく声の場所へ辿り着く。


「何があったの!?」


「フォーサ!!」


見えないまま叫ぶ。


その時。


小さな声。


「ごめんね……」


ミントだった。


「レイ」


「フォーサ」


声が弱い。


レイの心臓が止まりそうになる。


「ミント!!」


「喋らないで!!」


ミントが少し笑う。


「私はもうだめ」


レイが首を振る。


「そんなわけない!!」


「ミント!!」


フォーサが泣き叫ぶ。


「いやだよぉぉぉ!!」


「死なないでぇぇぇ!!」


ミントは微笑んだ。


優しく。


「ありがとう」


小さな声。


「一人になった私を」


「温かく迎えてくれて」


「ありがとう」


ごほっ。


血が溢れる。


止まらない。


ミントが空を見る。


「イザベルの国で」


「ペーパーを守れなくてごめん」


涙が流れる。


「ペーパー」


「あなたの最期の言葉」


「守れなくてごめん」


レイがようやくミントの身体に触れる。


その瞬間。


分かった。


終わりだと。


内臓。


骨。


身体の中。


全てが壊れている。


回復では。


どうにもならない。


「いや……」


レイの声が震える。


「いやぁぁぁ!!」


ミントは微笑む。


涙を流しながら。


「あなたたちと出会った国では」


「彼らを仲間だと思っていたけど」


少し笑う。


寂しそうに。


「便利だと思われていただけだった」


ミントの目から涙が溢れる。


止まらない。


「でもね」


レイとフォーサを見る。


「あなた達といた時間は」


「本当に」


「仲間だった」


「いや……家族だった」


静寂。


「私がお母さん」


「ペーパーがお父さん」


「レイが長女」


「マッドが次男」


「フォーサが末っ子」


フォーサが声を上げて泣いた。


「いやだよぉぉぉ!!」


「いやだぁぁぁ!!」


ミントが笑う。


幸せそうに。


「楽しかったなぁ」


視界がぼやける。


意識が遠い。


もう時間がない。


ミントは天を見上げた。


青空は見えない。


だが。


そこにいる気がした。


ペーパーが。


「レイ」


「フォーサ」


「マッド」


優しい声。


「私達は空から見守ってるわ」


最後に。


本当に最後に。


微笑んだ。


「元気でね」


そして。


静かに目を閉じた。


動かない。


呼吸もしない。


能力ランキング第81位。


ミント。


死亡。


レイが泣き崩れる。


フォーサも。


声が枯れるほど。


泣き続けた。


だが。


戦場は止まらない。


異形達は迫る。


そして。


レイの視界は。


まだ戻らなかった。


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