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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第127話 第3位離脱

「かはっ……」


苦痛の声が響いた。


だが。


その声の主はクロノではない。


異形だった。


レイが目を見開く。


異形と入れ替えられた。


そう思った。


だが。


クロエの表情は違った。


悔しそうではない。


むしろ。


少しだけ笑っている。


「致命傷は与えられなかったけど」


肩で息をしながら言う。


そして。


クロノがいた場所を見る。


「ダメージは与えたわ」


その言葉に嘘はなかった。


クロエは確信していた。


手応えがあった。


能力ランキング第19位。


クロエ。


能力『影喰い』


その覚醒した一撃は。


確かに。


世界トップ3へ届いた。











空中都市。


最上部の一室。


「これは……痛いのぉ」


クロノが苦笑する。


左腹部。


そこには大きな穴が開いていた。


血が流れている。


異形達が慌てて集まり。


治療を始める。


クロノは天井を見る。


そして思い返す。


クロエの攻撃。


あの瞬間。


注意はむしろスライムへ向いていた。


粘液。


執拗な攻撃。


しつこい足止め。


それを受ければ。


クロエの攻撃が届く。


だから。


気付けなかった。


もう一人に。


マッド。


能力『泥』


足元が歪んだ。


ほんの一瞬。


バランスを崩した。


たったそれだけ。


だがその一瞬が。


このダメージを与えた。


クロノが目を閉じる。


「やられたのぉ」


認める。


そして呟く。


「ワシはしばらく出れんな」


異形達はまだ戦える。


空中都市も健在。


だが。


クロノ自身は治療に入る。


能力ランキング第3位。


クロノ。


戦線離脱。











中衛。


空気が変わっていた。


ガイアの死。


味方を襲った絶望。


だが。


クロノの撤退。


それが希望になった。


兵士達が叫ぶ。


異形を倒す。


押し返す。


崩れかけていた戦線は。


再び均衡状態へ戻っていた。


クロエが振り返る。


そして。


マッドを見る。


「ありがとう、マッド」


突然の言葉。


マッドが固まる。


「え?」


耳まで赤くなる。


クロエが笑う。


「あなたが足場を崩してくれなかったら」


「当たらなかったわ」


マッドの顔が真っ赤になる。


「い、いや!」


「僕は別に!」


慌てる。


レイが呆れた顔をする。


「いつ惚れたのよ」


「なっ!?」


マッドが飛び上がる。


「何言ってるんですか!?」


両手を振る。


必死だった。


だが。


レイは笑う。


本当にすごかった。


あの状況で。


冷静に能力を使う。


普通なら無理だ。


クロノ。


能力ランキング第3位。


そんな怪物を相手に。


最適な一手を選んだ。


マッドはもう。


能力ランキングの中位レベルなのかもしれない。


レイはそう思った。











前線後方。


ボルトとブリザ。


二人の戦いは続いていた。


お互い満身創痍。


ブリザが舞う。


釣られて鎖が舞う。


美しい。


だが。


恐ろしい。


一本。


二本。


十本。


数えきれない。


ボルトは避ける。


だが。


全ては避けられない。


カキン。


また身体が凍る。


「ふしゅー」


「しんどいな」


だが。


ブリザも疲れていた。


すぐに氷が溶ける。


ボルトが動き出す。


そして突撃。


ブリザが飛び退く。


次の瞬間。


バゴォォォン!!


拳が空を砕く。


空気が爆発する。


衝撃だけで地面が抉れる。


ブリザの背中に冷や汗が流れる。


一発。


たった一発。


当たれば終わる。


「あなた」


ブリザが笑う。


「第39位なんて嘘ね」


本気だった。


称賛だった。


ボルトは黙る。


そして構える。


均衡。


互角。


どちらが勝ってもおかしくない。


だが。


その均衡を。


崩そうとする者がいた。


遠く。


戦場の後方。


一人の女が二人を見ている。


能力ランキング第34位。


ラギ。


能力。


『視界破壊』


ラギが微笑む。


「ファルス様のために」


静かに。


能力を発動した。


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