第121話 開戦前夜
大戦争前日。
ディオン達は大広間へ集まっていた。
静かな空気。
誰もが明日の戦いを意識している。
その中で。
フォーサとミントは固まっていた。
レイ。
マッド。
クロエ。
三人の雰囲気が明らかに変わっている。
まるで。
何度も死線を越えてきた人間の顔。
目つき。
立ち方。
全てが違った。
たくましくなっている。
だが。
同時に。
ディオン達へ向ける敵意も尋常ではない。
フォーサが小声で聞く。
「何があったんだろうね?」
ミントが苦笑する。
「きっと……」
「私達が想像できないくらい」
「ひどい特訓だったのかもしれないわ」
その時。
ディオンが笑った。
「随分強くなったな」
全員を見る。
そして。
続ける。
「そして」
「随分嫌われたな」
レイが睨む。
ディオンは楽しそうだった。
ガイアが大笑いする。
「はっはっは!!」
腹を抱える。
「なかなか楽しかったぞ!!」
クロエが睨む。
すると。
スライムが手を挙げる。
「僕はぁぁ」
「めんどくさかったぁぁぁ」
マッドが睨む。
スライムは視線を逸らした。
ボルトがため息を吐く。
「ふしゅー」
「お前達はやりすぎだ」
やれやれといった表情。
フォーサとミントも頷く。
レイが話を切り替える。
「もういいわ」
全員を見る。
「明日はどうなるの?」
その言葉で。
空気が変わった。
ディオンが答える。
「まず」
腕を組む。
「国民の避難は完了した」
全員が黙る。
ディオンは続ける。
「残っているのは」
「俺達と兵士のみだ」
マッドが聞く。
「兵士は何人いるんですか?」
ディオンは即答した。
「千人だ」
少ない。
レイ達は思った。
世界規模の戦争。
それなのに。
たった千人。
だが。
ディオンは表情を変えない。
クロエが聞く。
「敵は?」
ディオンが答える。
「ヴェルナの国に」
「ファルスの国が加勢している」
クロエの顔が曇る。
「ファルスの国?」
レイが聞く。
ガイアが笑う。
「お前なんもしらねぇなぁ!」
レイが睨む。
ガイアは口を閉じた。
ディオンが説明する。
「能力ランキング第23位」
「ファルスの国だ」
続ける。
「第34位ラギ」
「第44位ブリザもいる」
レイは少し考える。
確かに強い。
だが。
そこまで絶望的ではない。
そう思った。
しかし。
ボルトが口を開く。
「ふしゅー」
「残念だが」
「その三人はかなり厄介だぞ」
レイの表情が引き締まる。
そして。
ディオンが続けようとして。
珍しく言葉を止めた。
静寂。
全員がディオンを見る。
ディオンがゆっくり言う。
「あともう一人」
「第3位」
「クロノだ」
空気が凍った。
「な……」
マッドが声を漏らす。
フォーサも。
ミントも。
言葉を失う。
第3位。
モルド。
カイ。
ネメシス。
アストラ。
全員より上。
レイの額から汗が流れる。
クロエが呟く。
「動くのね……」
「『空中都市』」
レイ達は思い出す。
能力ランキング第85位の国。
空から降ってきた都市。
国ごと消えた。
あの悪夢を。
今度は自分達が相手にする。
ディオンが立ち上がる。
椅子が音を立てた。
全員が見る。
ディオンは言う。
「ある程度予想はしていた」
静かな声。
だが。
力強い。
「厳しい戦いになる」
全員が下を向く。
第3位。
それだけで絶望だった。
だが。
ディオンは続ける。
「だが」
全員が顔を上げる。
「俺達は強い」
レイを見る。
マッドを見る。
クロエを見る。
フォーサを見る。
ミントを見る。
ガイア。
ボルト。
スライム。
全員を見る。
そして。
言い切った。
「勝つぞ」
沈黙。
数秒後。
全員が頷いた。
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第11位 ディオン
能力なし
第19位 クロエ
能力『影喰い』
第28位 ガイア
能力『爆裂波動』
第39位 ボルト
能力『電磁支配』
第60位 スライム
能力『粘液』
第81位 ミント
能力『軽度治癒』
レイ
能力『光線』
マッド
能力『泥』
フォーサ
能力『強制覚醒』
対するは
第3位 クロノ
能力『空中都市』
第12位 フィオナ
能力『超治癒』
第16位 ヴェルナ
能力『直感』
第18位 マギア
能力『鈍足化』
第23位 ファルス
能力『超圧縮』
第34位 ラギ
能力『視界破壊』
第41位 メイズ
能力『蜃気楼』
第44位 ブリザ
能力『凍結鎖』
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世界を揺るがす戦いが始まる。




