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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第111話 ノーランクの城災

鉄壁が消えた後。


スカイとスエルテは地面へ降り立った。


静寂。


風もない。


人の声もない。


そこにあったはずの国は。


消えていた。


スカイが呆然と呟く。


「これは……現実か?」


ただ平らな地面だけが広がっている。


スエルテは何も言わない。


黙って周囲を見渡す。


そして。


ある一点を指差した。


「ねぇ、あそこ」


スカイが振り向く。


何かが動いている。


土が盛り上がる。


肉が生まれる。


骨が形成される。


人の形になっていく。


やがて。


一人の女性が現れた。


膝をつく。


肩で息をする。


「はぁ……はぁ……」


スカイが目を見開く。


「まさか……」


能力ランキング第64位。


リペア。


能力『高速再生』


身体が破壊されても再生する能力。


リペアが二人を見る。


「あなた達……生きてたの……」


疲れ切った声だった。


スエルテが首を傾げる。


「君、本当に第64位ー?」


リペアの眉が動く。


「……なんでそんなこと聞くの?」


スエルテは答える。


「だってさ」


お菓子を取り出しながら。


「その回復能力普通じゃないから」


静寂。


リペアがスエルテを見る。


スエルテも見返す。


数秒。


そして。


リペアが口を開いた。


「私は第64位じゃなきゃどうするの?」


スエルテが笑う。


「いやー?」


「別にー」


それ以上追及しない。


そのまま歩き出す。


スカイが慌てて後を追う。


「お、おい!」


リペアは二人の背中を見る。


そして小さく笑った。


「つれないわね」


だが。


その目は少しだけ鋭かった。











ノクリアとフウは。


かつて国だった場所を見つめていた。


何もない。


城も。


街も。


民も。


全て消えた。


ノクリアが築き上げた国。


守ってきた国。


それが。


わずか数分で終わった。


フウが拳を握る。


「ノクリア様……」


言葉が続かない。


ノクリアも黙っていた。


怒り。


悲しみ。


後悔。


全てが混ざっていた。


その時。


ノクリアが気付く。


「……あれは」


遠く。


一枚だけ。


鉄壁が残っていた。


フウが顔を上げる。


「何ですか?」


ノクリアは歩き出す。


「ノクリア様!」


「危険です!!」


だが。


ノクリアは止まらない。


鉄壁の前へ立つ。


そして。


鉄壁が消えた。


すると。


上から紙が落ちる。


ノクリアが受け取る。


そこに書かれていたのは。


たった一文。




> 俺はノーランクだ




それだけ。


たったそれだけ。


だが。


十分だった。


ノクリアの拳が震える。


怒りで。


憎しみで。


殺意で。


「第7位……」


静かな声。


「必ず殺す」


フウも黙って頷いた。











レイは固まっていた。


意味が分からない。


頭が追いつかない。


能力ランキング第7位。


カイ。


ノーランク。


大量殺害。


全てが繋がらない。


兄が。


なぜ。


資料は目の前にある。


現実だった。


「レイさん!」


マッドの声。


そこでようやく我に返る。


周囲を見る。


フォーサ。


ミント。


クロエ。


全員が心配そうな顔をしていた。


ディオンが腕を組む。


「その反応は……」


少し考える。


そして言う。


「何も知らないようだな」


クロエもため息を吐く。


「これはとんでもないわね」


筋骨隆々の男が汗を流す。


「おいおいディオン」


顔を引きつらせながら言う。


「俺達とんでもないことに巻き込まれてねぇか?」


電気を纏う男も黙る。


変な語尾の男も笑えない。


ディオンは少しだけ考える。


だが。


すぐに答えた。


「王の指示に従うだけだ」


それ以上は言わない。


大広間に重い空気が流れる。


そして。


世界は後に。


この日をこう呼ぶことになる。


能力ランキング第7位。


カイ。


能力『城塞』


無数の鉄壁によって引き起こされた。


史上最大の大量虐殺のことを。


『ノーランクの城災』と。

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